2021年6号から、週刊少年チャンピオンにて連載されていた「BEAST COMPREX」の4冊目が発売!!
板垣巴留先生の超大作「BEASTARS」の原点にして珠玉のオムニバス作品の単行本がまたまた発売!前作と同じく獣人による世界での種族間、性別での悩みやしがらみをリアルなドラマとして描きます。前作の主人公・ハイイロオオカミのレゴシと恋人のウサギ・ハルも登場!絶対に交わらない異種族同士が織りなすドラマに渦巻くやるせない気持ちや苦しみ、そして少しでも分かり合えた時の爽快感をぜひその目で、肌で感じてみてください!
そんな「BEAST COMPREX」Ⅳのネタバレを紹介します。
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BEAST COMPREX Ⅳネタバレ
20話・・・クロヒョウとラッコ
左耳だけ黄土色のクロヒョウ・ギルと、帰る方向が同じの海洋生物のラッコ・ポーのお話。海への進出を狙う大きな会社の社員である2匹が満員電車で交わす秘密の時間。
ポーは海洋語と陸語のバイリンガルとして有力社員として一目置かれているも、生き物である魚を食べる習慣のない陸ではポーと一緒に食事をする者はおらず昼時は1匹。ギルもまた辺鄙な田舎出身で都会に慣れず悩んでいたのだが、ポーと共に帰るとポーの丸っこいモフモフの手がたまらなく美味しそうで・・・それが新たな悩みになってしまっていた。
そんなある日、電車が急ブレーキをかけたはずみでポーの手を舐めてしまったギル。丁度ポーの降りる駅だったが追いかけて謝ったギル。しかし「陸では許されなくてもこれが命の循環だから」と、ギルの衝動を肯定したポー。それでもモヤモヤしたギルは職場でミスをしこっぴどく叱られ、帰りの電車でポーに「孤独」だと吐き出してしまった。
「仕事ができても、本当の私を理解している人なんて誰もいない。私も寂しい」
そう言ったポーは徐にギルの手を握った。ラッコは眠る時潮に流されないよう仲間同士で手を繋ぐ習性があるが、その習性が満員電車で生きる・・・?💦
21話・・・シマウマとホワイトタイガー
マッチングアプリで運命の相手を探すシマウマ女子・ミカ。約束を破られたり話が面白くなかったり、結果が芳しくないミカは今度こそとアタリを付けた相手・・・「白黒のシマシマ」そう確かに書いてあった相手は、何とホワイトタイガーのオス・アタリだった!
種族詐欺、出会いを装った食殺も起きかねないと一度は逃げたミカだが、嘘はついてないし嘘だと言うなら詐欺レベルに盛った写真を使うミカも同じだとアタリ。そう指摘され、今までが惨敗だったことをようやく消化したミカ。「事情聴取」と言ってとりあえずお茶をすることにしたのだが、アルビノ種であるアタリを「バーコード」と揶揄する声が聞こえたことに驚くミカ。そんな背景があったから、アタリはわざわざ嘘までついてシマウマと出会いを求めていたのだった。
そんな何百頭に一頭という確率のアタリを綺麗だと思うミカ。2匹は徐に机を挟んで握手をする。模様のある動物は、自分の模様と繋げられるほど似た模様を持つ相手が必ずどこかにいて、その相手とスキンシップを取るとまるで身も心も一体になった感覚に陥り心が通じ合うというジンクスがある・・・そんな子供じみた噂を信じるわけじゃないが、アタリはミカと同じ模様であることに初めて喜びを感じていた。
そんなアタリにミカはクラブへ行こうと誘う。薄暗い部屋で踊る大勢のシマウマに溶け込むミカを見失ったアタリの目の色が変わる・・・その時突然自信を失くしてしまった。そんな現実が立ちはだかった2匹に、1つの「賭け」が始まった・・・。
22話・・・ヘビとネズミ
病棟で働くオスヘビの看護師・セージ。異質な存在として患者に暴言を吐かれることは慣れっこだった。そんなある夜、巡回をしていると病室から物音が。50代の患者のオスネズミ・ネクターが失禁してしまったようだった。
意地になって近寄るなと言うネクターにセージは何を思ったか自身の性器を見せ「こんなことをしても無感情、襟さえ着ければ外に出られる異質な動物に失禁を見られたくらい気にしないで」と諭す。ネクターも思わず2本存在する性器をまじまじと見つめ、下ネタで盛り上がっている最中に片付け終了。そこから2匹の異様な関係が熱を帯び始めた。ネクターはセージに「お願い」をし、その通りにしたのだが・・・
次の日婦長に「縁起が悪い」と怒鳴られていたセージ。1匹じゃ寝られないというネクターに「添い寝」をしたことが縁起が悪いらしいが、その指摘を受けながらセージは考えていた。ネクターが日に日に弱っていること、誰かにとっての「縁起物」になれた時幸せを感じるのだろうと・・・
次の日もネクターは「添い寝」を頼んだ。が、その日何だかセージの様子が変。他の看護師の噂では、「ヘビは寝ながら隣に寝ている奴を消化するのに何時間かかるかを計るクセがある」セージは何だかネクターに絡みながらウズウズが止まらなかった。まさか「その時」だったのか・・・!?💦
23話・・・オオカミとイヌ
ジャーマンシェパードといういかにもな犬の種族・アダモ。実は元刑事だったのだが、その動機は犬らしい「一度気になった匂いを追わずにいられない」という「衝動」らしかった。引退した今も気になった不特定の動物の匂いを追っては憶測をし、実際に追いかけてプライベートを覗き見る。要するに「ストーカー」を無意識にしてしまうクセがあったのだ。
他種族が言ってるだけ、私の鼻は追究せざるを得ないのだ、と言い訳していたある日。あまりにも美しい女性オオカミが同じく美しい大輪の花束を抱えているのを見てしまった。その瞬間押さえられず追いかけてしまうアダモ。まるで自身の匂いを消すような花束と手をかけた化粧と高級ソープと警戒心、その間にわずかに香る彼女自身の匂い。匂いで輪郭を追う感覚がたまらない!アダモは自身の禁忌を「芸術」と謳って彼女を追いかけた。
振り返る彼女、固まるアダモ。彼女はフッと笑みを浮かべ踵を返す。しばらく間を置いて自宅まで突き止めるアダモ。彼女から醸し出される誘惑のような警戒、いいように翻弄されているような・・・気付くと朝になっていた。まずい犯罪だ、というのはわかっていても衝動は押さえられず1ヶ月彼女を見張った。美しく欠点が何1つない完璧な素晴らしいハイイロオオカミ・・・
だが、見てしまったのだ。本能に抗えなかった愚かな「負け犬」の現実を。アダモが、彼女が見た美しく醜い本能とは。その先に残る揺るがない「誇り」とは・・・
24話・・・イグアナとペンギン
イグアナらしく、暑い地区に住む29歳のフリーター・サウス。自分が何も生み出さないクズである現実から逃れる材料に「酒」を使っていた。そんなある日、最寄りのコンビニの冷蔵庫に見たこともない巨大な茶色い毛むくじゃらがいた。
顔なじみの店長にツッコむも「海洋生物の手続き面倒。店長の俺は忙しいしお前が引き取れば酒が入荷できる」そう言われてしまったサウスは、その毛むくじゃらを連れ帰ることに。後々わかるがその毛むくじゃらとは「オウサマペンギン」の子供だったのだ。荷物に紛れてきた迷子らしいけど・・・
酒に逃げるクセのせいで彼女にはフられ、会社の冷蔵庫にも持ち込んでしまいクビになった。そんな自分がダメなのはわかっているけどどうしたらいいのかわからない・・・ムシャクシャしてくると酒に手が伸び冷蔵庫を開ける。と、そのペンギンは「ぺぇ」と鳴いて冷蔵庫を陣取っていた。ペンギンは寒い所が好き。「サム」と名付けお隣さんとして接することにした。
名前、イメージ、肩書き。ただ生きているだけなのに背負うものがいつの間にか増えている。そんなどうしようもない2匹でも、あがくくらいはできて・・・?
25話・・・ウサギとオオカミ
前作「BEASTARS」の主人公・ハイイロオオカミのレゴシとその恋人のウサギ・ハルカップルが再び登場!なのだが・・・あれから3年の月日が流れ「半同棲」までしているのに、何だか老夫婦のような所帯じみた関係になってしまった2匹。それを密かに嘆いていたハルはレゴシの後輩で同族のジュノに相談。
とにかくイヌ科の本能をくすぐるようなことをすれば・・・といろいろやって「他肉食獣の匂いをつける」が一番効果的だったことはわかった。が、より不安は募るばかり。安眠できる日々が辛い・・・とある夜、ぼんやり満月を眺めていたレゴシ。何だか眠れない2匹は深夜の散歩へ。今住んでいる所からもかつての学び舎が望める風景に思わず感傷的になり・・・レゴシは爪と牙を隠す祈りのポーズを取っていた。「色々あったなぁ」そう呟いてハルは大変だったレゴシの学生時代を思う。
「私にはずっと爪と牙隠さなくていいんだからね」「ありがとう、ハルちゃんはもう俺の家族だな」
当たり前だと思っていた当たり前。そんな2匹に、時間と共に「当たり前」が増えていく・・・
BEAST COMPREX Ⅳ感想・まとめ
様々な誌面で掲載されてきたこの作品、どの話を取っても美しいですよね。美しい中に生々しさや不気味さ、残酷さ、愚かさが見えるし、挙句獣独特の体臭や血の匂いまでしてくるような・・・その表現力が恐ろしいほど美しいと思ったのです。これが原点なんて・・・板垣巴留先生こそ「怪物」だと思います😅もちろん褒め言葉です😅
今回は現実なら「捕食者と被捕食者」というコンビが多かったけど、そっちのコンビの方が美しい信頼関係があった気がします。同族であるはずのオオカミと犬の方がドロドロで生々しく怖かったような💦でもオオカミと犬って全く別なんだと思ったし、似ているからこそ衝突したら大事になることもあるんだなと。こうして考えると、人間の世界も実は「個人」の違いって「種族」の違いなのでは?と思ってしまいます。あえて「個性」なんて表現するのは、向かい合う他者が何者かなんて誰にもわからないからかと。そしてそれ以上に、自分自身が何者かがわからないからじゃないかと。ただ、わかろうとする気持ちの有無でいくらでも変わりそうだからこそ面白いんでしょうね。
今回海洋生物が2種類いたことも大きな変化だった気がします。人間の営みもまだ続くし、これからももっといろんな種族の交流が見たいですね!
次巻も楽しみです!
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今回は、「BEAST COMPREX」の4巻ネタバレを紹介しました!
が…
やっぱり、絵と一緒に読んだ方が絶対面白いですよね!
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他の種族のお話にレゴシたちが映ってたり、背景に現実の宣伝文句がある遊び心も健在です!w
ぜひお手に取ってご覧ください!