SANDA34話ネタバレ感想！青春で学んだ大人の汚れと強さ

2021年7月34号から、週刊少年チャンピオンにて連載されている「SANDA」。

舞台は2080年の日本。国の貧困化に伴い超少子化となり文化の一切が滅び、人口の0.1％しかいない15歳未満の子供を学校が一斉管理するという寒い時代。そんな中、普通の14歳の三田一重が実は大昔に滅びたクリスマスの象徴・サンタクロースの末裔で特異能力者であることを同級生の冬村四織に強引に明かされる。満足な捜索もされず死亡扱いにされた親友・小野一会を捜してほしかったからで、三田の正体をたまたま見てしまった同じく甘矢一詩も加えて小野の捜索、学園の秘密を探る。

とうとう始まった「未成人式」。一番美しいとされる青春時代を謳歌する三田たちを、苦い思い出がある柳生田はぼんやり見守っていた。こんな自分に憧れてほしくない、バツが悪くなった柳生田はサンタ殺しの準備をしていた生田目に声をかけたが･･･！？

そんな「SANDA」34話ネタバレを紹介します。

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前話までのあらすじ

「未成人式」は、1日の中で最も美しいとされる夜の直前の夕方「薄明」の頃に行われる。人生の内で1番美しいとされる15歳と重ねているのです。

40年ほど前、柳生田少年は未成人式で女子に好きだと告白されていた。しかし突然のことに驚き嫌悪感を抱いてしまった柳生田少年は美しい夕焼けもそれに染められた彼女の赤面も何も言えない自分も嫌でくだらないと思ってしまい、あろうことか不気味に笑い出した。それに彼女も周りの生徒もドン引きして告白もなかったことになってしまった･･･

というのが柳生田の悲しい青春の思い出、お前らはそんなヘマするなよ、と現在の柳生田が三田と甘矢に語るが、2人は軽く受け流す。「薄明の頃に告白や願い事をすると叶う」ジンクスが今も残っているらしく、三田は生田目もそのくらいに襲ってくるかもと予想。青春真っ盛りでありながら冷静に自分の立場をわきまえているリアル15歳に柳生田は拍子抜けしながらも「何かあったらサポートする」と2人を未成人式に送り出す。そんな柳生田に三田は「俺、柳生田先生みたいな大人になりたいな」と笑いかけた。

俺の貴重な喫煙時間が削られるからさっさと行け、と頭をはたいた柳生田だが、「俺は今初めて他人と深く関わってるかも」とぼんやり思う。あの未成人式の日から人と深く関わるのが怖くて適当に生きて来て、有意義な時間と言えば酒と煙草の時間だけ。そんな大人になるもんじゃないぜ･･･そう思っている時、三田たちも派手すぎるお祝いの時間をぼんやり過ごしていた。枯れにくいユリが生けられ、不老不死の意味を持つ松の下で美容健康にいいとされる食材を使った屋台ばかりが軒を連ねる。未成人式には「大人になんかなるな」というメッセージが散りばめられている。

とそこへ三田の婚約者・風尾二胡が「薄明が見える所に行こう」と三田を呼びに来た。その様子を柳生田は遠くから見て安心しながらふと、あの未成人式の光景がまた蘇ってしまう。二胡が三田を見つめる目は、あの時自分を見ていた女子の顔と同じだった。「柳生田先生みたいな大人になりたい」三田の言葉も蘇りハッとする柳生田。一大イベントに賭けてくるような女子の好意を無碍にするようになってほしくないんだよ俺は！！💦

何だか見ていて申し訳なくなってきた柳生田は人通りのない所を歩いて祭りの渦中から離れた。すると、建物の隙間で晴れ着姿で銃の装備を整えている生田目を発見。「そんな所で孤立してると先生と過ごすことになるぞ」と柳生田は軽い感じで生田目とコンタクト。そして「まぁそれなら願ったり叶ったりだ」とも言った。

「今日は先生と2人で遊ぼうか。ん？」
そう言いながら生田目が並べていた銃の1つを取った柳生田。生田目は生気のない恐ろしい目で柳生田をロックオン。どうなる柳生田･･･！

SANDA34話ネタバレ

大人と子供、青春

サンタ殺しの準備をしていた生田目にあえて声をかけ「こんなものは置いて健全に遊ぼう」と言った柳生田。地面に銃を置いた柳生田を見て「･･･ですね」と下を向いた生田目。

ベキッ！！
何と生田目の草履から槍のような武器が！！柳生田が銃を置いた瞬間に串刺しにしようとしたようです💦何とか避けた柳生田もさすがに驚いて固まる💦そんな柳生田に「とっておきの刃仕込んでおいたのに何で避けるんですかぁー！？」と残念そうな生田目。そして「あなたてっきり私に殺されたいのかと･･･違うんですか！？」とさも当然のようにボヤく･･･恐ろしい「大人殺し」･･･💦

「･･･なるほど」イラッとしながら生田目の危険性を感じた柳生田。どうやら「大人として」「子供の三田の」身代わりになろうとあえて生田目にちょっかいをかけた様子。らしくねぇことするもんじゃないな、なんて考える柳生田に「理由はどうあれ生田目二海に絡んだ大人は無事では帰れませんよ」と挑発する生田目。じゃあガチ勝負と行くか、と柳生田は徐に･･･

生田目の「餅のような頬」をムニッとつねった。「さっき手を串刺ししようとしたお返し👅」
「いいんですねそれで」生田目が銃を柳生田の腹に突きつける。子供とはいえ、やはり武器を前にすると緊張する柳生田。らしくねぇとはいえ、大人が子供を守るってのは必然なわけよサンタ。柳生田はあくまで自分を「大人」と割り切ってこの寒い時代を生きているようです･･･

その頃三田は、二胡と薄明がよく見える階段にいた。「お前は人混み蹴散らして行くタイプだと思ってたのに苦手だったなんて」「上から見下ろして支配したいタイプです～😁」そんな話をしながらも高い位置から会場を見回せるので生田目がどこから狙っているか思わず探してしまう三田。そんな三田に不満な二胡は「今日くらいは私のこと見てよ！💢」と突っかかる。命を狙われる身である三田はそんな気遣いはできない💦とりあえず慌ててゴメン、と謝る三田に「今日の私異常に可愛いから直視できないよねー」と軽口を叩く二胡。呆然とする三田･･･😅

「でもさ、」二胡は夕焼けに目をやりながら呟いた。「あんたはちゃんと見ないとダメ･･･じゃなきゃ何のために準備してきたのかわかんないだろ」熱のこもった言葉に無意識に耳を傾けてしまう三田。そして二胡は「本当はね、ここに移動した理由はね･･･」

「夕陽がよく見える所であんたと2人きりになりたかったからだよ」

え、と三田が言う間もなく二胡は･･･キス！！今回は口に･･･！🤩

祝福と罪の味

婚約者という義務的な形式を覆して三田とちゃんと恋愛したい二胡がとうとう未成人式で思いを打ち明け、口にキスをしてしまった。

「･･･あ」やってしまった、という顔になる二胡。
「ダッセ！！何ファーストキス奪われてんのお前ダサすぎ！！ハイ私の虫歯菌移ったーお前のファーストキス一生来ないー！私の勝ちお前の負けーばーかばーか！！」1人で照れ隠しの大騒ぎする二胡の前でただぽかんとする三田。ただ黙っている三田に二胡はだんだん不安になってきている様子。そんなにショックだったかよ、知ったこっちゃないけどね！まさかファーストじゃなかった？早く何か言えや！！💢と言われても三田の中は「葛藤」でいっぱいだった。

キス、してしまった･･･
サンタなのに、とうとう子供とキスを･･･女の子の唇･･･

女の子の、唇！！！✨
顔こそ焦りや「死ぬかも」という不安で真っ青だけど、頭の中はありとあらゆる甘いもののイメージが止まらない。マシュマロ、プリン、ゼリー、団子、どら焼き、カステラ、ホットケーキ･･･柔らかくて甘くてあったかい、でもどれとも形容しがたい、経験したことのない驚くような、神の領域のような感触と空気感だった･･･

サンタは子供と恋しちゃいけないとか、大人の欲望は汚いとか、そんなのもう全部わからなくなるくらいの感触･･･これは･･･まるで祝福だ。徐にゆっくりと両手を伸ばした三田はごく自然な流れのように両手を二胡の肩に置いた。「も、もう一度･･･だけ･･･///」

「サンタは子供と恋仲になると死ぬんだよ」
柳生田の言葉が脳裏に反芻されるが、体は裏腹に今度は三田から二胡の唇に食らいついて行った。思い切り目をつむっているけど、心の中は黒い姿のサンタが二胡の唇を吸っていた。階段の一段下で背伸びをしている三田が、サンタの姿だと大きな手で二胡の頭を包み込むようにして背中を丸めてキスをする。これは･･･柳生田の言う通りだった。

「サンタが死ぬ」というのは、純粋な赤いサンタが死んで黒いサンタが支配する、という意味だったのだ。

黒くなった理由は

二胡にキスされたのを皮切りに、自身からキスをして「サンタには赤と黒がいる」というのを改めて自覚した三田。サンタの道徳に反することをすると赤いサンタが死んで黒いサンタの血が流れ込んでくる。

「誰も傷つけず汚れを知らず立派な大人になれると思うか？たわけ」以前そう理事長に叱責された意味が今ならわかる気がする。俺はこうして大人に･･･と思いながら真剣にキスしていた三田💦キスというより内臓でも吸引するかの如くものすごい力でヂューヂューしてしまっていたので二胡が息ができずム゛ーム゛ー唸っている💦「ファーストキスで思い切り吸い込むバカがいるかぁー💢」ボカッ！三田の頭をゲンコツしてようやくいろんな意味で濃厚なファーストキスは終わった💦

とその時「ダァン！！」という大きな音が聞こえた。ハッとする三田。誰かが生田目の犠牲になっているかもしれない･･･！
「二胡！その赤いストール貸して！友達が心配だから見て来る！💦」いいけど何に使うの、と二胡が言う間もなく「必ず戻ってきて返すから！！」と真剣に叫んで階段を降りた三田。でもあれだけのことがあって淡白に去っていくのはちょっと･･･💦

「その･･･ごめん、ありがとう･･･」
「モテないのバレるからキスした後そういう発言しない方がいいよ･･･」二胡は真顔でそう言って三田を見送った。

他の生徒たちも何の音？とザワザワしている中を三田は二胡に借りたストールを羽織りながら駆けて行く。欲望に忠実で手段を選ばない乱暴者の黒サンタ！今はそういう危険な大人になる時だ･･･！

その頃、生田目をつついた柳生田は壁に追いやられていた。生田目は冷静に銃を構えながら「大人って可哀相･･･子供を守るのが大人の役目なら大人は誰に助けてもらうの？」そう言ってまた発砲した。柳生田は腕を撃たれており、シャツが赤く染まっている。銃の煙が充満する細い建物の隙間でふと生田目はあれ？という顔をする。だが至極冷静な顔をしていた。

柳生田を庇うように立っていたのは、黒いサンタだった。口に何かを含んでいる。
「生田目･･･お前の相手は俺だろ」

べ、と三田が出した舌には今しがた生田目が撃った銃弾が。柳生田を撃つ直前に口でキャッチしたというのか！？
特訓の成果アリ！？黒サンタは悪い子・生田目に「お仕置き」できるか！？

SANDA34話感想・まとめ

いやはや、過去の話の重要な伏線を一気に回収したような回でしたね。「恋すると死ぬ」のは赤いサンタの話で三田自身じゃなかった･･･のは安心しました。キスもいきなりで衝撃でしたね💦

そもそも「二胡」という女子が出て来たことが最初は謎でしたが、何気に重要なポジションだったことがこの回でより感じられたように思います。てっきり秘密を知ってて自身にも秘密がありそうな冬村がそういうポジションかと思いきや、冬村と正しい意味での正反対な存在として二胡は出て来たように思います。小野は「大人に突然なってしまった」女子で、二胡は「大人になろうとしている」女子。あまりに自然に純粋に成長過程を見せてくれている存在なんですよね。口でキスなんてしておいてからあんなに慌てる所はまだ大人になりきれてない感じでしたよね😅

そして三田もまた二胡と全然違う感じ方してて面白かったですｗ女子は「男子とキスをしたからこれからどうしよう」と未来のことを考えがちですが、男子は「女子と今キスしちゃった！気持ちいい！もっかい！」って感じですよね。だから男と女は相容れないなと思う所はありますが← 三田はサンタだし、大人になるためにはたまには禁忌も犯さなきゃいけない、よくない場面も見たり経験したりしないといけないとそっちばかりに気を取られてそうですね💦だから最後の「ごめん、ありがとう」だったのでは･･･確かにここで謝ると雰囲気ブチ壊しですね😅

大人は無価値、老いは罪であるこの時代に大人として子供を守ろうと体を張る柳生田をもいとも簡単に殺そうとする生田目の怖さを、黒いサンタは上回れるか！？子供を全力で守ろうとする大人には、別の大人が守ろうとしてくれるんだよ･･･！
次回も楽しみです！