SANDA40話ネタバレ感想!幼稚な老人と大人になりたいクソガキ

SANDA

2021年7月34号から、週刊少年チャンピオンにて連載されている「SANDA」。

舞台は2080年の日本。国の貧困化に伴い超少子化となり文化の一切が滅び、人口の0.1%しかいない15歳未満の子供を学校が一斉管理するという寒い時代。そんな中、普通の14歳の三田一重が実は大昔に滅びたクリスマスの象徴・サンタクロースの末裔で特異能力者であることを同級生の冬村四織に強引に明かされる。満足な捜索もされず死亡扱いにされた親友・小野一会を捜してほしかったからで、三田の正体をたまたま見てしまった同じく甘矢一詩も加えて小野の捜索、学園の秘密を探る。

生田目が三田と向き合ったことで初めて自分の感情をさらけ出し、母親の本当の姿を捉えることができた。しかしサンタ殺しに失敗したら消すという大渋学園長の魔の手が仕組まれていたことが判明!!三田はボロボロの姿で学園長に立ち向かったが・・・!?

そんな「SANDA」40話ネタバレを紹介します。

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前話までのあらすじ

「さぁどんな攻撃でもかかってこい!」三田は無茶な変身を繰り返しボロボロだが生田目の殺意を尚も受け止めようと身構えていた。

だが生田目の銃も弾切れ、殴り合いでの疲弊もあってお互い限界だった。だったらここらで決着、「寝かしつけの抱擁」で眠らせる!と三田が宣言した。しかしあれは黒サンタの特権、今の体力では・・・と思っていたその時、生田目は困惑したような顔で後ずさりし、そのまま逃げて行った。

戦いとか抜きに、私は他の誰かに抱きしめられるわけにはいかない!あの人の手の感触を忘れちゃう!逃げなきゃ、と言いながら転んだ所が枯葉の山の中だった。カサついた感触から在りし日の母親のことを思い出す生田目。すると、あの日と同じようにベッドで10歳の生田目を抱きしめる母の姿が蘇った。ただ1つ違うのは、無茶な整形を繰り返した不自然な顔ではない、ありのままの40代の顔をした母がそこにはいた。

「今から大事なことを言うからよく聞いてね。これから私はあなたがどんなことをしても叱ることはできない。大人を撃っても、お祭りをめちゃくちゃにしても。でも今のあなたには、話を聞いてくれて決して見捨てず叱ってくれる友達がいる。もう寂しくない。これからはあなたが友達を抱きしめるの

何の話をしているのかわからなかったけど、確かな母親の言葉だった。「おがあ・・・さん・・・」その間に提灯の糸が切れて生田目の周りの枯葉に引火!隣にあった倉庫にまで引火し火事になってしまった!!しかし生田目は母親の面影に夢中で気付いていない💦いつの間にか戻って来た先生たちも誰もいないと信じ、手を出すことができずにいた。しかしその時。

サンタの三田が生田目を救出して出てきたのだった。サンタは火に強いので少しも燃えていなかった。すると頭上から「やはり子供には無理難題だったか」と吐き捨てるような言葉が。「金と時間を無駄にした私を嗤ってくれよw」

何とこの火事を仕組んでいたのは大渋学園長だった!!サンタ殺しを10組に命じたこと、そして逃した場合には消えるようにしていたこと、すべてが学園長の計算だったのだ。

「今日死ぬのは俺でもこの子でもない。てめぇだ!!!
学園長に飛び掛かる三田!!ボロボロの姿で大勢の前で学園長を倒せるか!?

SANDA40話ネタバレ

人造人間のエゴ

「大渋てめぇ、子供を利用して俺を殺そうとしたんだろ!だったら今正々堂々と戦いやがれ!!」

いくら大人殺しとはいえ14歳の少女である生田目を利用した大渋に怒りを露わにした三田。その怒りに歪むサンタクロースの顔をまるで道化を見るように笑う大渋学園長。若さを至上とする学園長は老いた三田を嘲りながらたくさんのギャラリーの前でサンタを倒し、改めて若さこそ至高だと謳いたいのでしょう。学園長の思惑はまさに「ステージ構成」それだけだった。

最初に生徒とサンタを戦わせ、自分を「主役」に仕立て上げる。優雅に上着を投げ捨て、宙を舞う漆黒のジャケットが夜空に映える。掴みは上々と思った瞬間、学園長は杖の先を三田に向けたかと思うと「ドンッ!!」杖に今度はも仕込んでいたようです💦突然の銃声に生徒は驚き、三田は勢いに押される。さすがは不死身のサンタ、腹がめり込んでいるだけで済んだが前回洗い場で戦った時より装備が増えて戦闘力は高くなっていた。

「強くなってる、なんて汗臭い褒め言葉は今はいらないぞミスターS。若くなってる、美しくなってる、今求めているのはそういった類の言葉だ」
あの夜の屈辱、例え胎児まで若返ったとて忘れない

完全に自身を主役に仕立て上げ、その雰囲気に酔いしれる学園長は静かに洗い場の夜から未成人式のこの日までの屈辱と修行について語り始めた。生まれたままの姿でカワイイ調度品が飾られたベッドに横たわる学園長。横になったまま「許さない許さないサンタクロース!」と吠えていた。どうやら学園長にとって「全身の整形痕を出し不特定多数に見られた」ことが何よりも屈辱だったらしい。

洗い場にいた三田、冬村、小野、甘矢、そして鉄留理事長の5人に全身の縫合痕を見られた。それは学園長にとって5億人にこの傷が晒されたことと同義らしい。容姿で失った尊厳は容姿で取り戻すしかない。それが私に最も効くトレーニングだ。そう言って学園長は傷痕の浮いた全裸のままとある部屋に入っていった。その部屋とは・・・

真意はナルシスト?

未成人式の場を利用してヒーローに成り上がろうとしている学園長。それは「隠していた全身の整形痕を5人の目に晒した」屈辱の裏返しだった。

その容姿で失った尊厳を取り戻すためのトレーニング部屋とは、全面鏡張りの「視線の間」という部屋だった。学園長はくっきり痕が浮いた姿を自分で客観視するためにそんな部屋を持っていたのだ。「合わせ鏡で約500人の私が目視できるよう作られた部屋で座禅を組むのだ、まさに今のように全方位の視線を感じながら」そう呟きながらたくさんの生徒や先生の前で燃える倉庫を灯りに学園長は仕込み刀で三田に襲い掛かる。三田も足からソリを生やして応戦する。

「さっきから何をゴチャゴチャ言ってる変態ナルシストジジイ!💢」悪態をつきながら応戦するが三田は生田目との戦いと無茶な変身で体力の限界💦学園長は軽々と三田のソリを避けながら「あっその角度自信ある」とソリに映る自分に酔いしれる余裕まで見せている。そして今度は自分が斜めになって攻撃しながら「この角度も好きだ!」と叫ぶ。むしろ道化なのは学園長のはずなのに妙に強かった。

「私にとって人の視線を浴びることこそ最高の全身運動!!」ギャラリーがいることも学園長にとってはプラスでしかなかった。一方の三田は体力がギリギリだし「子供の信用」も今はなかった。ギャラリーの生徒たちはサンタの三田を「神のおっさん」と気づき始めていたが、学園長が戦い始めたことによって「神のおっさん=不審者」と刷り込まれてしまった様子。

「頑張れ学園長!私たちを守って!!」生徒たちの声援にますます強くなる学園長に押される三田。とうとうひっくり返ってしまった三田はどうにかして流れを変えないと、と考える。どうしたらいい?とふと顔を上げて気付いた。

「学園長かっこいいー!いいぞー!!」その声援に心底気持ちよくなっているらしい学園長はやたらキラキラした面持ちだった。そうなのだ。学園長はただ「美しく見られたい」だけなのです。

言霊ってあるのかな

学園長の策略によって学園長は「不審者から生徒を守るヒーロー」になり、生徒たちは学園長に声援を浴びせている。その状況に酔いしれる学園長を見て三田は「そうか」と気付いた。

大渋は強くなりたくて強いんじゃない。異常に「若く美しく見られたい」だけで、そのために強くあろうとしている爺さんなのだ。俺が強くなりたい理由って何だっけ、こんなボロボロになって戦う目的って何だっけ。生徒たちがキラキラした目で学園長に「いけー学園長!不審者をやっつけろ!」と声援を投げかける中、三田は理事長との修行で「強くなりたい」とあれほど願った理由を思い出していた。

その時、倉庫に近い所で見ている生徒めがけて倉庫の屋根の一部が焼け落ちて生徒に当たりそうになっていた。それにいち早く気付いた三田が生徒の前に突然やってきてそれとなく肘で屋根を払い飛ばした。学園長に夢中になって燃える屋根に気付かなかった生徒たちはいきなり「不審者」が近づいてきたので驚いていたが、三田はゆっくり話し始めた。

「何度も君たちを驚かせたけど・・・俺は神様じゃないし不審者でもない」
「俺は、サンタクロースなんだ」

とうとう大勢の子供の前で正体を明かした三田。だが生徒はポカンとするばかり。「何言ってんだコイツ」という顔をしている生徒もいる。そうなるのは当然だったし三田も承知の上だった。「名前くらいは聞いたことあるかな。今はまだ信じなくていいから」そう、これは大渋学園長から注意を引くためだけの手段だ。だけど三田は初めて言葉にしたことで改めてわかったのだった。

俺は子供に信じてもらうために存在している。
その時、学園長への声援がピタリと止まった。予想だにしていなかった状況に学園長も思わず動きが止まる。なぜ歓声が止んだ?辺りを見回す学園長の前に三田が高々とソリの足を掲げていた。

「座禅は無駄だったな、大渋」
三田のソリが学園長の顔を引っ掻きまた新たな傷を作った。大胆なカミングアウトの結果やいかに・・・!?

SANDA40話感想・まとめ

学園長が仕込んだことって「生田目を消す」ことだけかと思ったのですがまさか自分を主役にするための舞台を作ってたとは💦92歳にもなって子供みたいな欲があったんですね学園長・・・ある意味誰より純粋なのかもしれないな・・・💦

そしてとうとう大勢の子供の前で正体を明かした三田。前作『BEASTARS』のように主軸になる話を分割した描き方を今作もするのだとしたら、一章は「学園長を倒す」、そして二章で「子供たちにサンタクロースを信じてもらう」活動をする感じになる、のかな?それにしてもあれほど「神のおっさん」を崇めてマネしたりグッズまで作ったりしてた生徒たちがいとも簡単に学園長の「お遊び」に騙されて不審者扱いって残酷ですね💦時に子供は残酷、というのも板垣先生はちゃんと伝えてるんですよね。ある意味イジワルな演出・・・w

そして学園長の若さというのが今回の舞台構築というのも反映して「幼稚さ」である気がしてきました💦若さこそ至高、老いは悪とこの時代に誰が最初に言ったのかはまだわからないけど、それを頑なに信じて全身整形したくせに傷痕は気にするコンプレックスにすら思ってる、そして容姿で尊厳を保とうとする姿勢が本当にクソガキが持つ漠然とした夢みたいな感じ・・・何なんでしょうね?学園長も生田目とはまた違った、親に愛されなかったトラウマとかがあるんでしょうか💦

何だか大人たちだけ先に進んでる感じありますが、成長痛に苦しむ小野のこととか気になりますよね。冬村は小野に追いつけたでしょうか?そして序盤に名前だけ出て来てずっと謎なままの「冬村隊長」の存在・・・
次回も楽しみです!

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今回は、「SANDA」の40話ネタバレを紹介しました!

が…

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「容姿」をテーマにしたら容姿が美しく見えるように描く技術が素晴らしい!学園長がイケメンに見えるから怖い(笑)

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