人気作が次々と大団円を迎え、世代交代を感じさせる2020年夏の週刊少年ジャンプ。
そこへ堂々帰還したのが「べるぜバブ」「腹ペコのマリー」を代表作に持つ田村隆平氏による海洋マンガ！
ギャグのようなそれでいてストーリー物のような、一言で言い表せない深い魅力がつまった目が離せないイチオシ作品です！
前回までのあらすじ
主人公・鮫島灼熱（さめじまボイル）はハードボイルドな警察官。大都会新宿での不祥事を経て左遷された先は、小笠原諸島姉ヶ島！ そこで出会った相棒はまさかの人外？！ そしてその人外をパパ上と慕う謎の少女……刑事×少女×海、深海のごとく誰も見たことのない物語が今始まる――。
海の教団編、神室の口から語られる二人の過去、そしてチャコの母親の真実。
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灼熱のニライカナイ 38話 ネタバレ
相棒と片腕
立派な施設の中で暮らす奥菜由香理。彼女は家族ぐるみで教団に心酔していたとのことなのでここで暮らしていたこともあったのでしょう。少し幼い顔をしており、母親らしき人に連れられていきました。彼女が覗こうとしたのは、施設の地下。覗けないほど深い地下に、室伏と南風原は繋がれていました。壁を挟んで別々の牢屋に入れられた二人は、ボロボロの顔をしてはいますが、なんとか二人とも命はある様子。南風原の行動に憤る室伏ですが、当の南風原は後悔の色を見せません。室伏が教団員として地位を確立するために、自分は踏み台になると言います。そんな南風原の右腕は、肘から下が失われていて――。
浄罪の泉
教団から逃げ出そうと試みた二人は、警察の人間であるという事もばれ、教団に確保されてしまいます。そして、水が流し込まれていく地下施設に鎖で繋がれ、その手には斧が。
既に膝のあたりまで水が浸っており、その水に溺れてしまえば当然二人とも死んでしまいます。解放されるためには、二人で殺し合い、どちらかの腕を切り落とすこと。明らかにドン引きしている室伏に対し、南風原は驚きながらも全てを悟った顔をしています。そして、自分自身の右腕を切り落とし、二人とも助かった……という状況。
そんな南風原の行動を、室伏は許さないと言い切りました。しかしそれは、相棒として。必ず二人で助かることを改めて誓った二人は、それぞれの道を歩く事となりました。
室伏は教団員として、南風原は捕虜のような状態で、牢屋の中で生きることで二人の可能性をつないでいきます。
教団内での一年
それから一年、南風原を人質にとられた室伏は教団内で忠実に働き、その地位を高めていきました。教団としても警察の人間を利用できるということは大きかったようです。
ちなみに、過去編のスタートが７年前ということなのでこの時点で６年前ですね。時系列的にも正しいようです。しかし最大でもオルフェがイルカになって６年……神室くんの言っていた「すっかりイルカになって」という言葉に大きく頷けます。イルカになって、イルカの体で人間の時と変わらず生活してると思いきや、イルカだからなぁ……オルフェは、南風原はやっぱり強い男だ……。
そんな中、八重ちゃんが教団で特殊な地位にいたことの理由が明かされます。海神の右腕……現代ではオルフェの右腕になっている「ポセイトラコン」は、八重ちゃんの実家からの寄贈品だったようですね。八重ちゃんは高額のお布施やその他手を汚すことなく、これを持ち込んだことで教団の奥深くに入り込んだのでした。
しかしそんな八重ちゃんを良く思わない教団の人間も多く、陰口に少し八重ちゃんの表情も曇ります。室伏はそんな八重ちゃんを励まし、南風原の右腕の代わりになるかもしれないと茶化してみせます。実際そうなるのですが、果たしてそれが彼のイルカ化にどうつながるのでしょうか……。
潜入捜査×潜入捜査
教団内で着々と地位を上げ、ナンバー２と言われるほどになった室伏。地位が高いからなのか、外出も許されているようですね。
そして、八重ちゃんのお腹にはチャコちゃんが宿っているようです。これは、室伏が父親ということでいいのでしょうか？ 確かに髪の色は同じですが……こんなことって。
なんとなく心配そうな八重ちゃんを他所に、室伏は神宮寺に現状の報告をしています。顔色が悪い、別の人みたいな顔をしていると周囲の人間は異変に気付いているようですが、室伏は隠そうとしているのか、特に言及しません。
神宮寺は別の任務中なのか、制服姿です。海機捜の資料なのでしょうか、新人を入れようと思っているとサメのデータを見ています。サメが姉ヶ島に左遷されたのはわりと最近の事なのですが、少し前から目はつけられていたようですね。第一話の不祥事が起きるまで待っていたのだとすると、なかなか根気のいる仕事だったのでしょう。
深部へ……
そんな室伏の潜入捜査でしたが、彼が海中呼吸をできるようになったことで状況は一変します。
教祖であるニライカナイに連れられ、海人の存在を知らされる室伏。教団の最深部には、海人を展示する水槽があったのでした。洋服を着用し、人間とほど近い見た目をしている海人たち。教団に飼われ、絶望したような、諦めてしまったような目で室伏を見ています。
さらに教祖は続けます。室伏が海中呼吸に成功した理由……それは、彼ら海人の肉を喰らう事。
食べればいいというわけではなく、適応した者だけが可能になるという海中呼吸。室伏は合格だと不敵に笑う教祖と、水槽の中の海人と目が合う室伏。告げられた残酷な真実は、彼には耐えられない物でした。
受け入れがたい現実を見て、室伏は教祖を殺害。頭部から血を流しているようですが、一体どうやって殺害したのでしょうか……とにかく、室伏は教祖に人を近づけないよう下の者に伝え、息も絶え絶えに八重ちゃんの元へ。
大丈夫と明らかに大丈夫じゃない顔で八重ちゃんを抱きしめる室伏と、すっかりお腹の大きくなった八重ちゃん。チャコちゃんの父親は……えっこれ室伏でいいの？ 八重ちゃん我が子の父親の事名字で呼んでるの？？？？？ なんか読み間違えてる？？？？？
……次週、チャコちゃんが生まれてからの話に入ります。
灼熱のニライカナイ38話・まとめ
二人で潜入捜査をしていたはずが、南風原は全く身動きが取れない状況だったんですね。二人の道が分かたれたのは、物理的な問題もあったのでしょう。
南風原が一緒に行動していたなら、きっとここまで大きな亀裂にはならなかったのではないでしょうか。最大の悪とも言える教祖は死に、それから室伏が教祖に、神室くんになっていく理由が……今度こそ来週明かされます。多分。
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