2021年6号から、週刊少年チャンピオンにて連載されてきた「BEAST COMPREX」。
板垣巴留先生の超大作「BEASTARS」の原点にして珠玉のオムニバス、そしてスピンオフとして連載されてきた「獣人による群像劇」!それもついに今回で最終回!まだまだ他の種族や性別の組み合わせでいろんなドラマが見れそうで終わってしまうのがとても寂しいのですが、ひとまずここで終了です!板垣先生の次回作に期待です!
最後まで読者の皆様は「ヒト科の動物」として獣人たちのドラマをしっかり見届けて下さい!「BEAST COMPREX」単行本は4/8発売予定!
今回はそんな「BEAST COMPREX」12話ネタバレを紹介します。
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前話までのあらすじ
今回は前作「BEASTARS」から、ハルの大学での友人のウサギ・アコとその元カレのライオン・エアドのその後の話。
エアドは正直異種族だろうと付き合うなんて簡単だと思っていた。まさかアコを食うつもりなんて毛頭なかった。なのに「キスして」と言われパニックになり、気が付いたらアコの頭に牙を立てていた。俺はまともにキスすらできないのか・・・
しばらくして久しぶりに大学に来ると、アコが「傷を背負った天使」という名目で大学のミスコンにエントリーしているのを見たエアド。いつの間にかアコも復学していたのに気づき、最悪の別れをしていたエアドはアコの現状が気になったが、スマホでのやり取りは晒されるかもしれない。テニス部だったことを思い出してテニスコートに向かうと・・・
「エアド!?会いに来てくれたの?嬉しい!」
予想とは違ったアコの反応に面食らうエアド。アコの性格上、自信のある顔に傷をつけたことを責め、怒鳴って殴ってくるかと思ったのに。他のサークルメンバーに文句を言われながらもアコはエアドを庇い、2人で帰るから約束してた花火大会には行けないと断った。何かがおかしい。そう思いながら大学を出て2人になった瞬間、アコはさっきまでとは違い冷ややかな顔でエアドに話しかけた。
そう、アコは自分の立場をいち早く理解して上手く立ち振る舞う、俺が知る誰よりも怖い女だ。
私が加害者を快く受け入れるイベントなんて週末じゃなくて月曜にやるべきでしょ、と吐き捨てるアコにまだ面食らったままのエアド。友達との約束断らせてごめん、と言うとアコは元々興味ないし好都合だと。それならうちで飲まないかと誘うエアド。
初めて屋内で2匹きりになった。アコは下心丸見えね、と吐き捨てたけどエアドはアコの本音を聞くために見てくれを気にしなくていい所に行きたかったという目的だった。今までは異種族カップルであることを見せつけるために必死だったから腰を落ち着けて話したかった、と言いかけてふとアコを見ると酔いが回って横になったアコが。アコは酒に弱かったのだ。申し訳なさそうにアコを見つめるエアドの耳に「今可哀相って思ったでしょ。そんなに痛々しい?この傷」
そう言った瞬間部屋を飛び出していったアコ。追いかけるエアド。
「同情なんていらない!私の傷は一生消えないの!だったらいくらでも利用してやるんだから!SNSのフォロワー増やして傷を元に自伝出す!うぬぼれないで!あんたがつけた傷じゃないから!!」
「これは私がつけた傷よ!!!」
花火の音にかき消されて、エアドだけに聞こえたアコの本音、アコの叫び。初めて聞こえた気がした。
今までで一番、俺はお前が・・・「好きだアコ!もう一度ちゃんと付き合おう!今度はファッションじゃなくて本気で・・・!!」
「・・・いいわよ。じゃああなたは傷の修復専門の医者になってそれまでずっと一途なまま開業医になった暁に私に告白して。それくらいのストーリーが私の自伝には必要だから」
ハハ、と乾いた笑いを出しながらも「待っとけって・・・!」と力強く応えたエアド。アコが初めて希望の目を自分に向けてくれていたから。
BEAST COMPREX12話ネタバレ
誘惑という落とし穴?
嵐の夜。「ただいまー!ママ、友達も一緒だよ!」と明るく母親に声をかけたウシの少年・ハイゼ。その隣には同級生のワニ・ナグモがいた。2人共雨に降られてびしょ濡れだった。そんな2匹にハイゼの母はタオルを差し出し、快く家に迎え入れた。
家の経済力はバスタオルに表れると聞いたことがある。受け取ったタオルは触ったことのないフワフワ加減だった。そんなナグモにハイゼは風呂を勧めた。着替えまで渡してご自由にと言ってくれたので、厚意に甘えて風呂に入ることに。ウシのハイゼが入った後の風呂というわけです。
服を脱ぎながらかすかに漂う香り。ふと先日の出来事を思い出すナグモ。
兄貴が密かに裏市から入手してきた「ブイヨンスープ」。中毒注意、と何だか穏やかではない言葉が書かれている缶を兄貴は手渡しながら「食肉じゃないから法にはギリ触れないさ!ブイヨンスープってのはあくまでウシの肉からとった出汁なんだから!」その「出汁」の風呂におそるおそる入っていくナグモ。大きな湯舟に並々と注がれたブイヨンスープ・・・
当然と言えば当然だろうか。ウシの彼が浸かったお湯はあのスープ缶とものすごく似た匂いがした。あの缶も止まらなくて一気に飲んでしまった。全身にウシの出汁がしみ渡った。「いやいやまさか飲んだりしないよ、かけ湯するだけだ」入る前にはかけ湯するもんだろ、と自分に言い聞かせながらも大口を開け洗面器の湯を半分ほど飲んでしまった。
うっ、うまぁ・・・!!
まだこんなにある!!気が付いたら手で掻き込むように残り湯を飲んでいた。あの缶の文句通り、ナグモはウシの出汁の中毒になっていたのだ。
と、気配を感じ振り返ると、そこにハイゼが風呂のドアを開けて立っていた。驚いたと言えるか微妙な顔つきで立ち尽くすハイゼと、同じくハイゼを見つめるナグモ。そして何事もなかったかのようにハイゼは「ボディソープ切れてたから新しいの」とナグモに手渡し、ナグモも冷静にそれを受け取る。「ママが夕飯もどうぞって。料理上手いから期待してて」とナグモに言い残してハイゼは戻って行った・・・
ボディソープを持ったまま立ち尽くすナグモ。同級生の残り湯を取り憑かれたように飲んでしまった。それを見られてしまった。何事もなく食事をするハイゼにそわそわしながらナグモも食事をする。ハイゼの母に同じ部活?と聞かれ、ナグモはぎこちなく同じクラスで、と応えるがハイゼは明るく「ちゃんと話したことなかったけど今日たまたま帰り道話してたら降られちゃって」と話す。
「まぁ、じゃ恵みの雨だったわけね♡」とニコニコ笑う母に、ハイゼは「そうかもね、仲良くなれて嬉しいよ」と応えた。
仲良くなれて?予想外の言葉に目を丸くするナグモ。一体この状況は何だ・・・?
可哀相なのはどっち?
食事の後、ナグモを家まで送っていくハイゼ。今日はいろいろありがとう、いえいえママが張りきっちゃって恥ずかしかったな、と世間話をする2匹だが、やはり気がかりなナグモは風呂でのことを切り出す。
「君が風呂の残り湯を飲んでたとこ?見たよハッキリ」
その言葉に息を飲むナグモ。そのまま俯くナグモにハイゼは淡々と「気にしてないよ、心配しないで」と言った。そして「君の家貧乏なんだろ?」と言ってきた。
「うちの家訓なんだよ。貧しい友には心を広くして常に施す側でいなさいってさ」「肉食獣が隠れて裏市で肉を買ってるのは知ってたけど・・・君はそんなお金もなくてたまたま転がり込んだクラスメイトの風呂のお湯で食肉欲を満たしたんだろう。誰が責められる?」
ナグモが残り湯を飲んでいたことを、ナグモの家が裕福でないことに結び付けてわかったような口を聞くハイゼに、何とも言えない衝動を覚えるナグモ。でも負い目があるし、ハイゼの言うことも間違ってはいないため反論できなかったナグモ。家に帰るとカップ麺と菓子パンと共に「夜勤で遅くなる」旨が書かれた母からのメモが置かれているのをただ見つめた。ナグモの家は安アパートで、毎日カップ麺や菓子パンといったジャンク品を食べていた。ハイゼの家は大きくてすべての部屋が広くて、毎日母の手作り料理が食べられる。あからさまな格差はあったけど・・・
次の日。
ジャンケンに負けたナグモが放課後にプール掃除を引き受けることになってしまった。仕方なく受け入れたナグモに「手伝うよ」とハイゼがやってきた。ジャンケンに勝ったハイゼが手伝ってくれるって、王子のお情けに感謝だな!と他のクラスメイトが囃す中、黙って俯くナグモ。クラスメイトに促され、ぎこちなくお礼を言うナグモ。昨日からずっとハイゼの態度が気になって仕方がない。
放課後。黙々とプール掃除の準備を手伝うハイゼの後ろから「どうして・・・」と投げかけたナグモ。
「・・・君本当に可哀相だからさ」ハイゼは言った。
「風呂の残り湯を飲んでる所を目撃されてそれを責められもせず憐れまれて次の日にはジャンケンで負けてプール掃除なんて。こんなにツイてない連日僕にはちょっと想像できない。あ、それとも昨日のバチが当たったのかな」
淡々と語り、プールの水って何分くらいで抜けるんだろうと呟いたハイゼにとうとう我慢ならなくなったのか、蹴っ飛ばしてプールに突き落としたナグモ!!「可哀相」って何だ!?
チャンスの「ごめん」
急にプールに突き落とされたハイゼが何する・・・と顔を出すと、ナグモもプールに入って「確かに僕は浴槽いっぱいのブイヨンスープを飲んだ」と怖い顔でハイゼに向かって言い放った。
「ブイヨンスープってわかるかウシの肉からとった出汁だよ。貧乏ナメんなあの残り湯めちゃくちゃ旨かったどうだこれでお前も少しは心の痛みを理解できたか」矢継ぎ早にハイゼに叫んだナグモ。そしてハイゼに歩み寄っていく。身の危険を感じたのか「お、お前最低だぞ!」と叫んでプールの中を逃げていくハイゼ。
塗れたシャツ越しに見えるハイゼくんの模様は輪郭がボヤけて本当にプールに溶けてしまいそうに見えた。このプールの水が完全に抜けたらもう二度とチャンスは来ない、そんな気がする。チャンス?何の?ブイヨンスープをこっそり飲むチャンス?それとも・・・
「言っとくけどな!僕だって風呂場ではショックだったんだぞ!自分だけ可哀相に思って僕を悪者にするなよ!君に昨日『仲良くなれて嬉しい』って言ったのは本心だ!僕は嘘は言わない!!」
そう叫んだハイゼの本心を、だんだん減っていくプールの水の中で聞いた。あの風呂いっぱいの湯の前ではどうしようもなくて言えなかったけど、見つかった時本当は真っ先に言うべきだったんだ。「ハイゼくん・・・」
「ご」「・・・ふ」
何かを言いかけたナグモの長い口を両手で挟んで塞いだハイゼ。「・・・君が謝ったら僕が本当の悪者になる」
「ごめん」
きょとんとするナグモに背を向けながら「君の代わりに謝ったんだよ」と淡々と言うハイゼ。誰も責められないからこそ、勝手に可哀相なんて思っちゃいけなかった。素直になれなくてごめん。
それにしてもまた僕ら昨日も今日もびしょ濡れだよ、うち寄ってくかい?と誘ったハイゼに「それは考えとく」と応えたナグモ。時々意地張っちゃうけど、お互い傷つけ合いたいわけじゃないんだ。少しずつ、少しずつ。
BEAST COMPREX12話感想・まとめ
最終話は学生同士、原点回帰といった肉食と草食の話でしたね。残り湯をスープに見立てて飲んだのを許す僕偉い、みたいな子供っぽさはあれど、お互いを気遣おうとして失敗してる感じは不器用な大人って感じがしました。歳は明かされてなかったけど高校生でしょうか?
昆布などの出汁は生きている間には出ないそうですが、ウシは生きてても出汁出るんですかね?ヒト科にはわからない匂いや味があるのでしょうか?倫理的な問題もあれど私としては衛生的な問題が気になってしまいました← それを気にしなくなるほどブイヨンスープって肉食には禁断の味なんでしょうね・・・!動物の出汁って美味しいですから←
裕福で生活水準の高い草食・ハイゼが、貧乏な上に食肉欲という特有の悩みを持つ肉食・ナグモを「憐れみ」という形で攻撃したわけですが、「仲良くなれて嬉しい」が本心だったという言葉もあってちゃんとナグモを信じていた所がありましたよね。食肉欲に負けて自分や誰かを襲ったりまして裏市に肉をこっそり買いに行くのはお金があったとしてもナグモはしない、ときっと思ってたでしょう。なのに残り湯を飲んでいた所を見てしまいショックだった。うーん、そう考えると喧嘩両成敗な気もしますけどね。
信じていたのに裏切られた気分になって憐れみという形を取ったハイゼ。食肉欲に負けるタイプじゃないしその原因が貧乏では決してないナグモ。この2匹は怒鳴り合って取っ組み合って本音を叫んで、それを何回もやって親友になれそうなコンビだと思いました。「考えとく」と言ったけどあの後ナグモはまたハイゼの家に行ったんじゃないかと思いますw
最終話まで面白かったですね!
板垣巴留先生の次回作も楽しみです!
「BEAST COMPREX」を無料で読む方法!
今回は、「BEAST COMPREX」の12話ネタバレを紹介しました!
が…
やっぱり、絵と一緒に読んだ方が絶対面白いですよね!
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絵で心の動きを、モヤモヤした悩みを表現できるって素晴らしいと思います!そして動物の描き方がシンプルにカッコイイです✨
ぜひお手に取ってご覧ください!