BEAST COMPREX5話ネタバレ感想！哀れな女優最後の舞台

2021年6号から、週刊少年チャンピオンにて短期連載されている「BEAST COMPREX」。

板垣巴留先生の「BEASTRS」の原点、スピンオフとして短期集中連載されている作品。「獣人」の世界には、まだまだ種族の数だけ、生きている個体数だけの悩みな苦しみ、隔たりがある。その悩みや心情をリアルに描く、人間よりドラマチックなヒューマンドラマが短編で読めます。皆さんは「ヒト科の動物」になって読んでみると面白いかもしれませんｗ「BEASTARS」のキャラクターも背景などで登場するかも？ｗ

長らく「BEASTARS」でレゴシが住んでいた「コーポ伏獣」の住人の出会いと悩みを描いてきましたが、ついにコーポ伏獣の住人で詳細が明かされていないのは残り1匹。しかし今回は･･･？

今回はそんな「BEAST COMPREX」5話ネタバレを紹介します。

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前話までのあらすじ

今回は、やり手のメススナネズミと、そのヒモに甘んじているオスオオワシの話。

今年は異例の雷雨続き。ネコ科が顔を洗いながら通勤する異様な光景を尻目に、曇天の中を優雅に飛行するオオワシ・ライカ。ライカの背には雇い主とも言えるスナネズミ・フィーナが乗っている。雷が嫌いだから雷の日は飛ばないぞとヒモの分際で宣言するライカに、フィーナが突然「私結婚するのー！！」と叫んだ。

雷と同時に、雷のような衝撃的な言葉を受けて不時着してしまったライカ。帰ってすぐ「お願いです結婚しないで下さい」とプライドのかけらもないような土下座。出て働きなよ、とクールなフィーナを遮りフィーナの婚約者をイビりながら「雷の日も飛ぶよ！俺のヒモライフは死守してみせる！！」と何とも情けない宣言。

次の日から本当に雷雨の中飛ぶ練習をするライカ。どんだけ働きたくないのよ、とツッコミつつ、あまりにも真っ直ぐな姿勢に美しさすら覚えるフィーナ。でもやはり不時着してしまうライカ。「お前の小さな婚約者は俺みたいに気遣った送迎ができるのか！？💦」と毎日同じ説得にうんざりなフィーナ。だけどライカは雷の中の飛行をやめない。

雷もフィーナの結婚も怖い。でも俺は何を怖がっている？
「結婚なんてするなフィーナ！！！」ピカッ⚡･･･

雷と同じような形で「ペキッ」と音が響く。だんだん見えてくる天井と笑う母親らしき鳥。
ライカが産まれた時の記憶のようだ。産まれた時からライカは「出たくない、安心で楽チンな殻の中でいたい」と思っていた怠け者だったのか。その時、眼前に広がる夕焼けと虹のアーチ。心が過去に行っていたとはいえ、初めて雷の中不時着しなかったライカでした。

「雷を怖がってる場合じゃなかったかもな」そう言ってコーポ伏獣の屋上に降り立ち、フィーナを降ろしてライカは尋ねた。
「俺、これから1羽でやっていけるかな･･･！？」

「当たり前でしょ、あんたと見る景色は常に最高だったもん」
恐怖を乗り越え、最高の門出をもらったライカ。新たな一歩に幸運あれ。

BEAST COMPREX5話ネタバレ

最低な主演男優賞

「愛してるんだ･･･君のすべてがほしい！」「いいわ･･･私を食べて！」
血走った目のユキヒョウがエゾシカの女性に大口を開ける。これは「ディナー」という名前の映画のワンシーンのようです。

肉食獣と草食獣の禁忌の愛を描いた「ディナー」という映画から、今年のアカデミア賞主演男優賞と主演女優賞をW受賞という快挙を成し遂げた。主演男優はユキヒョウのオス・ルーク37歳、主演女優はエゾシカのメス・ロゼ35歳です。「食肉」というタブーを犯した2匹の愛の形は多くの観客の心を揺さぶった！ともてはやされているようですが･･･

豪華な控室初めて！私まで賞を貰っちゃって、と興奮してはしゃぐロゼとは裏腹にうかない様子のルーク。「ロゼ、あれは演技じゃなかったんだ。僕･･･本当に草食獣を食べたんだ」

突然広い控室に響く衝撃的な言葉。固まるロゼ。
同じく固まった表情のルークに「あ･･･」と声を漏らすロゼだが、「あー！作品の中で私を役者として食ってたってこと？そんなこと皆わかってるわよ」失礼しちゃうわ、と笑うロゼを遮って「違う」とルーク。「撮影期間中に亡くなったスタッフがいただろ。倉庫にいた彼を僕が襲って食べたんだ。主役のプレッシャーに耐えかねてストレスで」メイク担当のアヒル・ボブが亡くなったことはロゼも知っていた。でも現場事故ではなかったの･･･？

「君のことを食べるラストシーンで『鬼気迫った演技』と評価されたけど本当にあの時は鬼気迫ってたんだよ、相手役の君も恐ろしかっただろうね、アヒルを食べた後の僕と対面なんて･･･」

重く冷たい空気が流れる控室。長い一瞬を越えた後、ロゼは青い顔を覆いながら「嘘でしょルーク･･･信じないわ」と言うもルークは本当なんだと真実を曲げない。「食肉は重罪よ！？だから皆フィクションで描くんでしょ！？何やってるの本当に！！」と取り乱して叫ぶロゼにルークも「自分でもわかってるから今君に告白してるんだ！」と叫ぶ。そして「この後のインタビューで自首するつもりだ･･･」とうなだれるルーク。

ぽかんと口を開けるロゼ。
「あ･･･いやそれはやりすぎかな」･･･ん！？

今ひとつ女優の悪あがき

食肉を犯したルークの自首をやりすぎと言うロゼに面食らうルーク。

アカデミア賞という名誉な賞の授賞式で自首なんてしたら関係者に多大な迷惑がかかるでしょ？というロゼに「ずっと夢見てきた賞なのに罪を背負ったまま受賞できない、あの演技は評価されるべきじゃない」と勝手なことを言うルーク。「最後くらい正しい役者として･･･」と言いかけた所で「どーでもいいのよあんたのことは」と女優らしからぬ軽蔑したような顔で吐き捨てたロゼ！

訝し気な顔をするルークと「言っちゃった」顔のロゼが向かい合う。
「もしかしてロゼ、自分の女優としてのキャリアが心配で自首を止めてるのか？」と核心を突くルークにあわあわするロゼ。図星のようです･･･💧

「僕が自首したら『ディナー』は上映中止になって君の功績が日の目を見なくなるのが嫌なんだろ！」「そこまでわかってて自首なんてどうかしてる！あなた最低よ！！💢」控室でまくし立てる2匹！その頃外からTVの囲み取材始まるので準備してくださいと関係者のノックが聞こえる。たちまちケンカ？になり、ルークの体に絡みついて精一杯の力で首を絞めるロゼ！！あらあら･･･💧

ユキヒョウならではのパワーでロゼを剥がし控室を出ようとするルーク！寸での所でルークの尻尾を掴んで床に倒すロゼ！片足をルークに突き立て、力いっぱいルークの尻尾を引っ張り上げるロゼ！！泣きながら痛がるルークに「私はね！B級アクション映画のチョイ役で体張ってきたのがやっと報われたの！！たかが肉食獣の本能なんかに私のキャリアを妨害させない！！」とロゼも泣きながら思いの丈を言葉に込める。

「『相手役の君も恐ろしかっただろうね』！？そりゃ恐ろしかったわよ！！あの恐怖･･･やっと役になりきれたと思ったのにあんたのせいで台無し！！！💢」長い苦労の末にやっと明るみに出れた所だったのに･･･ロゼが一際悔しがるのには理由がありました。

ラストシーンのカット後、監督に一皮剥けたみたいだなと褒められて自信がついた所だったのに、制作スタッフたちが「ラッキーだなロゼ。ルークの演技に引っ張られていい表情になってた感じ」「ロゼレベルじゃ相手のリードは必要だろ、あの実力じゃ今後厳しいよ」と陰口を叩いていたのだから。

ロゼが長らくチョイ役で頑張ってきたのは、今回の受賞は何だったんだろう。

ラストの大舞台、なのに･･･

ルークが食肉を告白した心意気を一応買ったのか、ロゼも悔しい思いをしたことをルークに洗いざらい話したロゼ。

運動神経を買われてアクションものには出たけどそれも年齢的にそろそろ苦しいし、私の役者人生はずっと前から閉ざされていたのかもね、と言うロゼに「おかしいね、アカデミアの受賞式でW受賞の2匹がこんなに沈んでるなんて」と他人事のように言うルーク。本当にすまない、と謝るルークにロゼも長い撮影期間乗り切った仲だしこの際とことん付き合うと笑ってみせた。

ロゼ、君さえよければもう一度一緒に役者獣生をかけた舞台に立ってほしい。
僕は自首する。君はそれを初めて聞かされた悲劇のヒロインを演じるんだ。

TVの取材に役者の笑顔で応じる2匹。そしてラストシーンについての質問が報道陣から投げかけられる。あの怪演のインスピレーションはどこから？目くばせする2匹。

「実体験です。撮影中に亡くなったアヒルのボブさんを食べました･･･！」

ルークが言い終えた所で不自然に目を見開くロゼ。

真っ直ぐ正面を見据えるルーク。その横で取ってつけたような、驚いたような嫌悪感を示しているような、あまりにも不自然な表情のロゼ。

「･･･え？」という感じの報道陣。
直立不動の食肉を犯した主演男優と、不自然な顔のまま動かない主演女優。
おかしな時間が静かに流れるアカデミア賞受賞式だった･･･。

BEAST COMPREX5話感想・まとめ

何だこの妙な終わり方！？💦役者の世界も大変だということでしょうか･･･？ロゼの妙な演技のおかげでルークの自首もあやふやにならないか何だか不安ですね💦

そして久しぶりに「食肉」というこの世界ならではのタブーに踏み込んだお話でしたね。スピンオフとして4話連載されてきましたが食肉の話はありませんでした。これ人間に置き換えると撮影中に不貞を働いたとか危ない薬品使ってたとかになるんでしょうか？そう置き換えるとリアルだしロゼがあそこまで癇癪起こす気持ちもわかります💦ロゼは何もしてないのに共演者が、しかも主演男優がタブー犯してたわけで自分の頑張りが水の泡になるんですから💦

それにしても動物の世界でも男は自分の身が危ないだけの状況でもカッコつけてキレイに逃げる方法をよく思いつきますよね💦ロゼが癇癪を起さずあっさりルークの自首を促していたら「食肉は悪いことだけど受賞式という場であえて自白したヒーロー」になって罪がかき消されるという状況になったかも？ロゼがルークに決死の思いで攻撃したのは「勇気ある行動」だったかもしれませんね💦

それにしてもロゼが不憫すぎるような･･･今一つと言われても得意なことを続けて頑張ってきたのに「あの実力じゃ今後厳しい」なんて悪口ひどすぎる😭さらに主演男優の重罪で努力がパーになったらたまったもんじゃないですよね💦･･･まぁ最後の不自然な演技だと演技一本でというわけには行かなさそうですが･･･😅

何だかモヤモヤする結末でしたが、ルークはともかくロゼは心機一転と役者世界で頑張っていくんでしょうか？いつかロゼの今後も描いてほしいものです💦このままじゃあまりに不憫です💦
次回も楽しみです！