2021年6号から、週刊少年チャンピオンで連載が始まった「BEAST COMPREX」。
「BEASTARS」の原点でありスピンオフとして板垣巴留先生が新たに連載している「動物によるヒューマンドラマ」!種族、性別、年齢なども様々で、いろんな視点からのリアルな悩みや苦しみを乗り越えたり甘んじて飲み込んだりする様子を、ヒリヒリするような緊迫感と共に描いています。
「BEASTARS」からの力強さや美しい筆遣いはそのままに、様々な種族の問題を「ヒト科の動物」として味わってみて下さい!「BEASTARS」のキャラクターも背景などに登場するかも?
今回はそんな「BEAST COMPREX」4話のネタバレを紹介します。
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前話までのあらすじ
今回は何もかもが白く閉鎖された「0地区」から抜け出せない、アルビノカラスとカンガルーの話。
この街は物だけでなく住む動物も真っ白。彼らは「ブライト」と呼ばれ、希少価値があるため襲われやすい。なので何もかもを遮断して外に出られないようにしているのだ。そんな「外の世界」を知りもせず恐ろしいから出るなという宗教的な地区に、アルビノカラスのエビスは嫌気が差していた。
そんな時出会った「オリオン」と呼ばれる美しい白いカンガルーの少女。彼女は代々ブライトだったのに内股にオリオン座のような斑点があるという理由で、「この街に住み続けたければ0地区のすべてのオスと関係を持て」という条件を出されていたのだ。世間知らずでイライラするような子のはずなのに、エビスはオリオンから目が離せない。僕は君に好かれるまで股のオリオン座を見ない男でいたい。エビスはオリオンに泥をぶつけ、オリオンはエビスの頬をはたいた・・・
オリオンの事情を知りながら自分の欲求を晴らすためだけに利用しようとする0地区のオスを遮って、エビスはオリオンを誘って夜の街を歩き続けた。0地区から出ることは考えられないオリオンと、出たくても出られずにいるエビス。その頭上に輝いていたのは本物のオリオン座・・・
その瞬間、エビスに大きな袋が被せられた!「アルビノ狩り」に襲われたのだ!袋の中から僕に構わず逃げろ、とオリオンに叫ぶエビス。知らずに0地区から出ちゃってたんだ。外の世界はたくさんの色があった。オリオンはすぐ冷静さを取り戻し、エビスを襲った小型のネコ科2匹にキックをお見舞いした。
袋から出るエビス。蹴り上げたオリオンの内股に、確かにオリオン座の斑点が見えた・・・
エビスの手を取り、ニコニコ笑い合う2匹は、その日初めて0地区に戻らなかった。
自由を求めて、羽ばたけ。殻を破るんだ。
BEAST COMPREX4話ネタバレ
青天の霹靂?
今年は異例の雷雨続き。行き交うライオンやヒョウなどのネコ科の動物はイライラしながら顔を洗い歩いていきます。そんな街の光景を嘲笑うかのように、悠々と上空を飛ぶオオワシとその背に乗る小さなスナネズミ。この異常気象しばらく続くって、というスナネズミに「俺雷の日飛ばないから」と悠々とした顔で語るオオワシ。「あんたヒモの分際で何言ってんの?」と突っぱねるが、オオワシの表情は余裕の笑顔だった。
彼らも「コーポ伏獣」の住人。やり手のメススナネズミ・フィーナとそのお抱え運転手的なヒモのオスオオワシ・ライカ。ライカはその巨躯と羽根を活かしてフィーナに養って貰って世界一賢いオオワシライフ満喫中!何一つ苦労のない楽しい日々を送っているようです。
残業続きのフィーナを気遣い、夜景の見えるコースで帰るというライカに気が利いてるとフィーナ。でも次の瞬間・・・
「聞いてライカ、私・・・」
「結婚するのー!!!」
曇天の夜空と綺麗な夜景の中に響くフィーナの幸せそうな声。ポカン、とするライカ。
ライカの顔は見えないが、声がしないライカに向かって弾んだ声で「聞こえてるの?もー!結婚するのー!」とまた叫ぶフィーナ。
俺は雷が嫌い。あんな細長い光にビビらされるなんて屈辱だ。オオワシは広大な翼を持つ誇り高い生き物なのに!!そんな雷のような衝撃を小さなフィーナから受けてしまった。
「お願いします結婚しないで下さい。あなたが結婚したら俺はどう生きていくんですか」帰るなり土下座してそう訴えるライカ。フィーナは「いや普通に出てって働きなよ」とクールに突っぱねる。
「相手は・・・スナネズミ?」ライカが核心に迫るとルンルン顔で「うん!営業部のプジオカさん♡」と答えるフィーナ。それに激昂して「何でだよ!?俺と住んでて飛べない男に惹かれるなんてことあるかよ!?せめて羽根の立つイカついオス鳥であってくれよ!!💦」と暴れるライカ。フィーナはあくまで冷静に「あんたに惹かれた瞬間なんて一度もなかった」と呟く。
その瞬間、窓の外で光る雷。
「・・・今年は雷雨が続くって言ってたよなフィーナ」静かに切り出したライカ。そして「雷の日も送迎するよ!だから俺を養い続けてくれ!」と切実に訴えるライカ。「それは結構だけど・・・あんた今日雷鳴った瞬間不時着したじゃない」と吐き捨てるように言うフィーナに「突然結婚報告するからだろ!?」と食って掛かるライカ。
「何としてでも俺のヒモ生活は死守する!そのためなら雷だろうが何だろうがどんな天変地異もはねのけるさ!!」
ライカの異様なまでの「ヒモ」への固執。単純にヒモなのかフィーナへの思いなのか、それとも・・・
俺は何と闘ってる?
次の日からライカの雷克服トレーニングが始まった。
雷雨の中、雷に怯えることなく安定した飛行ができるように・・・それができればきっとフィーナも思いとどまってくれるはず・・・しかしやはり雷の音や雷光を見るとビビって落ちてしまう。その度にまた飛び立ってまた落ちて、の繰り返し。
そんなライカを傘を差しながら遠い目をして「あいつ・・・どんだけ働きたくないの・・・💧」と心の中でツッコミ。一応同居人として見届けてくれてるフィーナの優しさですね💦恐怖心を押し殺そうとしながら濡れた身体から雨粒をこぼしながら飛び立つライカの姿は、かえって美しさすらあった・・・✨
しかしやはり雷にビビって落ちてしまうライカを帰るよ、と宥めるフィーナ。落ちた姿のままライカは「・・・あんたの婚約者はやってくれるのかな」と呟く。
「あんたが揺れないように静かな飛行を日々練習したり、あんたが大きな仕事をこなした時にエアロバティックをお見舞いしたり!豆粒ほどしかない婚約者はやってくれるのかよ!!😫💦」と涙ながらに訴えるライカ。だが「毎日毎日同じ説得勘弁して!💦」と耳を塞ぐフィーナ💦エアロバティックは本当に嫌だったそうです💦
そんな言い合いをしながらライカの背中で帰路についている最中、雨が降り出した。「よし、願ってもない結婚を止めるチャンス」ライカの目は怯えているが真剣な眼差し。無理しないで、と言うフィーナに「今しないでいつする!俺のヒモライフがかかってるんだぞ!」と厚い雲の下で叫ぶライカ!
ヒモライフどころか私の命が危ない!💦と焦るフィーナを振り落とす勢いでライカは高速飛行を続ける!
あぁ、今にも雷が光りそうだ。怖い。雷も彼女の結婚も。俺はどうしてこんなに怖がってる!?
「結婚なんてするなー!!フィーナ!!!」
ピカッ・・・⚡
私の、あなたの門出
光った雷光と同じような形で光がどこかに差し込み、「ペキッ」と音がした。
その隙間が広がり、天井と蛍光灯と、笑う母親の顔が見える。どうやらライカが生まれた時の記憶のようです。
「やだよ・・・出たくない、外の世界に出たくない・・・」「ずっと安心でラクチンな卵の中にいたいのに・・・」
記憶と共に、フィーナと食卓を囲むいつもの風景が重なる。
俺は・・・生まれた瞬間から怠け者だったのか。変化を恐れ、自分で道を切り開くことを避けていたのか。
その瞬間、雲が切れ、眼前には虹のアーチ🌈が掛かっていた。まるで新たな門出を祝福するきらびやかなアーチのように・・・
「にわか雨だったんだ!やんでよかったー、ねーライカ?」
背に乗せたフィーナの言葉でハッと目が覚めるライカ。無意識だったとはいえ、初めて雷が鳴っても不時着しなかったライカでした・・・!虹を見ながら「綺麗だな・・・雷を怖がってる場合じゃ、なかったかもな・・・」と呟くライカ。おもむろに同居人と暮らす「コーポ伏獣」の屋上に降り立つライカ。
どうしたの?と聞くフィーナを降ろしながら、「わからない・・・ヒナ鳥に戻っちまったような変な気分だ」と呟くライカ。そして「なぁフィーナ、正直に言ってくれ」と続けた。
「俺・・・これから1羽でやっていけるかな・・・?」
フィーナはにっこり笑って「当たり前でしょ!」と元気に言ってくれた。
「あんたと見る景色は常に最高だったもん」
ライカ、雷の中最後のフィーナとのランデブー。
最高の景色を見せてくれたライカに、新たな最高の景色の恩恵があらんことを。
BEAST COMPREX4話感想・まとめ
今回は「ヒモ」であることを恥じるどころか胡坐をかいているオオワシのオスと、世の中を淡々と生きているやり手のメススナネズミのお話でしたね。「BEASTARS」でレゴシがコーポ伏獣に住み始めた頃、全住人と顔合わせパーティーをする回があり、その時から「この2匹どういう関係?生活は?」と思っていましたが、やっとその詳細が明らかになったわけです。
動物の世界は「生きるため」時に残酷に、時にセコい手を使ってどうにか生き延びる手立てを考える種族がたくさんいます。だからこそライカはハイスペックなフィーナに養って貰える「ヒモ」であることにむしろ誇りすら覚えていたのかもしれませんね。生き延びるために強者にくっついていく方法はある意味賢明です。
でもそんなライカに「養ってくれる強者の結婚」という突然の決別が来てしまった。今まで1羽で生きたことのないライカにとって「変化」は恐ろしいもの。その「変化」を食い止めるためにライカは雷の中の飛行練習を行った。それが初めてライカが行った「自分で道を切り拓く」行為だった。フィーナの結婚という「変化を食い止める」はずが、「自分で生きていくため」のワンステップになったなんて、皮肉なものです💦
最後にフィーナを乗せて雷の中飛んだのが「最終試験」、落ちずに飛んで虹のアーチをくぐったことが「合格」のサインだったんでしょう。そしてフィーナの「あんたの景色は最高だった」というお墨付き。過去はどうあれ、きっとライカなら自分が納得する生活を見つけられるはずだよね☆
さて、いよいよコーポ伏獣で素性がわかっていないのは残り1匹。次回は彼の話かな?
次回も楽しみです!
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今回は、「BEAST COMPREX」の4話ネタバレを紹介しました!
が…
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最後に虹でできた花丸をライカに送るなんて素敵な演出!ちょっと砕けた雰囲気のお話の中の感動、板垣巴留先生の手腕です!
ぜひお手に取ってご覧ください!