BEASTARS ビースターズ190話ネタバレ感想！消えた隔たり

2016年9月から、週刊少年チャンピオンにて連載されている「BEASTARS」。

2018年にマンガ大賞、手塚賞を受賞し、アニメ化もされ第二期放送も決定している「動物が織りなすヒューマンドラマ」です。

「獣人」の草食獣と肉食獣が共存する世界。そんな世界では肉食が草食を食べてしまう「食殺」が最も残虐で重い罪とされています。

同じく共学で、すべての動物を正しい道へ誘う存在「ビースター」を排出している名門・チェリートン学園である日、演劇部のアルパカのテムが何者かに食殺されてしまう所からお話は始まります。その現場をウロついていたハイイロオオカミのレゴシがこのお話の主人公です。

レゴシの挙動も災いして、草食が肉食を疑心暗鬼の目で見始めた中、レゴシは様々な種族の動物と意思疎通を図り、相手を理解していくことで自身も成長していきます。特に、メスウサギのハルや、演劇部部長のアカシカのルイとは不器用ながらレゴシの獣生の中で重要な存在になっていきます。

レゴシが不器用なりに努力したおかげで食殺犯は逮捕され、レゴシは学園を退学し一人暮らしを始めます。大人の世界に入って新たな出会い、ヒョウとガゼルのハーフ・メロンに興味を持ってしまったことでレゴシの生活だけでなく世の中が何だかおかしな方向に･･･。

躊躇なく生き物を傷つける悪獣とされてきたメロン。でも、そうなってしまったのにはメロンを振り回した大人達の無責任さがあったようで･･･。

今回はそんな「BEASTARS」190話のネタバレを紹介します。

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前話までのあらすじ

妻子を捨てたことを、少しも悪いと思っていない様子で「子供って残酷な授かりものですよね」と吐くメロンの父親。その言葉に鱗が逆立っていくゴーシャ。

その鱗は今までのゴーシャの思い出を映し出す、無数の目玉のような輝きを放っていた。
ゴーシャの鱗に映る思い出。それは異種だった妻子との幸せすぎる生活だった。

ヤフヤと自警団のような活動をしていた時に助けたメスオオカミ・トキ。
ゴーシャは自身の毒で愛するトキを傷つけないように、キスは口にはせず頬に、即座に消毒液でゴシゴシ磨くというロマンも何もない行動をしていました。

体が痒いと言うゴーシャのために入浴剤を用意してくれたトキが呟いた、「このままいろいろなことを気にしなくなってほしい」の意味を考えることもなく、美しく優しいトキが怪物扱いされるコモドオオトカゲの自分と一緒にいてくれることが嬉しかったし、異種族同士だから向けられる目線も気にならないくらい幸せだった。

トキの誕生日を自宅ベランダで祝うゴーシャ。レストランじゃなくてごめんな、というゴーシャに「どんなレストランよりずっと素敵。つくづく自分は世界で一番幸せだって思うの」と言って、ゴーシャの口にキスをするトキ。

ゴーシャは驚きのけぞり、即座に消毒液をかけようとするが中身は空っぽ。消毒液のストックを置いていた棚には家族の写真がたくさん飾られていた。幸せな家庭に夢中になって、消毒のことを気に掛けることを忘れてしまったのだ。私の愛があなたのコンプレックスに勝ったのよ。

そう言って、ゴーシャの毒に冒されたトキは倒れながらも「愛してる」と確かに言った･･･。

異種族の愛を煩わしいなんて一度たりとも思わなかった。だから自分なりに精一杯妻子に愛を注いだ。それでも妻子は自分の前からいなくなってしまった。なのに、メロンの父親は保身だけに神経を注いで妻子を捨てたのだ。

許せない。今から知っても遅くないぞ。覚悟ある愛の味。

押し倒され半開きになったメロンの父親の口に、ゴーシャの毒が注がれようとしている･･･！

BEASTARS190話ネタバレ

言い訳の目潰し

ゴーシャが毒で扉を溶かし、裏市へ乗り込んだ直後の話。

「裏市から目を背けるな」というルイの生中継を聞いた報道陣たちがおそるおそる裏市へ乗り込む。センター街では嗅いだことのない血生臭いにおいが立ち込めている。入口から見える景色はほとんどが「肉」の看板だらけ。

草食獣が見るものではないけど任意で入っていく報道陣。若干草食獣の方が比率が高いようだけど･･･。そのうちの1匹、七面鳥のクルーが七面鳥を売る店の前で恐怖したような顔で立ち止まった。

その瞬間、クロヒョウのクルーがその店の看板を叩き壊した！どよめく現場に、そのクロヒョウは「やっぱり裏市なんて草食獣に見せられるもんじゃねぇよ！正気じゃない」

「俺たち肉食獣は･･･草食獣を傷つけたくて食べたいと思ってるんじゃないんだ！」
涙ながらに語るクロヒョウ。「言い訳に聞こえるかもしれないが本当なんだ！」肉食が肉を食うのは自然の摂理ですしね･･･何らおかしいことではないのに。

すると、他のクルーも「あんたの言う通りだ」と言って棒や石を取り裏市を破壊していく！草食も肉食も団結し、笑顔すら浮かべながら裏市の肉の店を壊していく。

「裏市」なんていう隔たりを失くせ。肉食と草食、互いに同じ目線で向き合うんだ。

挑戦者ペアの名前は

裏市に乗り込んだ報道陣が店を壊す音を聞き分けたレゴシとメロン。「よし」を聞きメロンを押し倒したはずなのにまた形勢逆転しているレゴシ。

死闘の最中にそんなことを気にするレゴシがやはり気に食わないといった感じで、またヤケを起こしたようにまくし立てるメロン！「忘れるな･･･これは殺し合いだ！結局お前は俺を殺せない！俺にはできる！この世の憎しみで固め作られたような俺にはな！！」しかしあっさりレゴシに蹴り上げられる。レゴシと正面から対峙した時点でメロンもかなり精神ダメージを受けているようです･･･。

レゴシたちの決闘を見ているルイの横に、「今夜の裏市はゴタついてるなぁ」と現れたのは裏市管理組合のリーダー。覆面の布を被った、レゴシが裏市の決闘に名乗り上げた時クイズ大会を司会進行した謎の獣です。あの時はペンのインクが切れててレゴシが名前を書けませんでした。

「本来ただの縄張り争いの日なのに草食獣まで観客に加わるなんて前代未聞だよ」と冷静に本音を吐露する管理組合リーダー。「縄張り争い」という言葉を噛みしめて何を思うかルイ･･･。

新しいペンを他組合員が買ってきたので状況整理をするリーダー。しかし何かを思い出すために頭をひねるリーダー。いきさつを知らないルイは「レゴシな」と思うけどどうも様子がおかしい。レゴシが書こうとしていた言葉はどうやら「レゴシ」という名前ではなかったようで。

「ビー玉･･･ビンゴ･･･ビ、ビ･･･あっこうだ」

ビースターズ。

変化の瞬間

ビースターズ。

そう書かれた言葉にハッとするルイ。

レゴシはいつも一人で戦おうとしていると思ってた。けど今回は違う。
決戦前からルイと一緒に戦うつもりでいたのだ。痛みも苦しみも、離れていても共有しながら一緒に勝つつもりだったのだ。だって採血して部屋を血まみれにしながら、ルイとそう約束したから。

レゴシを地面に叩きつけたメロンは依然ヤケを起こしながら「ギャラリーが増えてるぞ･･･ちゃんと殺し合おうぜ」と挑発する。そこに「これは殺し合いじゃない、縄張り争いだ」とルイが入り、レゴシを立たせる。裏市の店を壊していた報道陣もメロンも、ルイの姿に目を丸くする。

メロンの「誰だおめぇ」という言葉には応えず、レゴシに「周りを見てみろ」と促すルイ。
肉食も草食も、みな並んで裏市に立っている。俺たちの知っている裏市じゃないんだ。

変えたのは俺たちだ！

裏市という隔たりを失くして、種族の隔たりも失くして。
メロンのような悲しい生き物をもう出さないために。

「決着をつけよう･･･メロン」

追い詰められたメロンと、新生ビースターズ。決着はいかに。

BEASTARS190話感想・まとめ

メロンを邪魔者扱いしていた父親に制裁を喰らわせようとしたゴーシャ！の続きも気になりますが、今回はゴーシャたちが乗り込んだ直後のレゴシたちの模様でした。でも緊迫していましたね･･･！

まさか報道陣がルイの言葉を受けて裏市に乗り込んだのは少し驚きました。機材はゴーシャの毒で溶かされてしまったから、もう心のファインダーに残す感じですよね。それでも「肉食の本能を草食に見せてはいけない」「草食に食肉を見世物にしない」という、彼らなりの心意気があの破壊行動でしょう。正義とも悪とも形容しがたい行動だとは思いますが･･･。

そして憎しみが積み重なって暴走するメロンと、そんなメロンも救いたいレゴシ。その時点で血を流さなくても決着がついているような気がしないでもないですが、メロンの父親のことをメロン自身知ってか知らずか、メロンの衝動を受け止めてこそ変わるものがある、とレゴシは踏んでいたのかもしれないですね。

ルイも言ってましたが、変えたのは紛れもなくレゴシたちだと思います。
そして、レゴシも格段に成長していると思いました。大人の世界で大人と一緒に世の中を変えてしまったんですから。

追い詰められたメロン父子。父子の再会はあるのか？そして決着は･･･。
次回も楽しみです！