週刊少年チャンピオンにて2016年から連載されている「BEASTARS」。
2018年にはマンガ大賞、手塚治虫文化賞などの賞レースを総なめした、
「動物によるヒューマンドラマ」漫画です。
2019年10月にはアニメ化もされ、2期制作も決定しています。
「人間より人間臭いドラマ」。一言で言い表すならこれしかありません。
様々な対人関係から引き起こる事件や揉め事。
それに一喜一憂する動物。
草食と肉食での捉え方の違い。
誰かを恋しいと思う気持ちだって、
本当は本能による食欲なのかもしれない・・・。
そして本能のままに行動して、
犯したくもない罪を犯してしまったら?
共存しているからこその
「異種婚」によって生まれたハーフの苦しみ。
彼らの悩みは、現実の人間でも一人一人が
抱える悩みと通ずるものがあります。
登場人物一匹一匹に、激動の人生がありそれぞれの考え方があります。
レゴシは不器用ながら、それを理解しながらよりよくしていこうと奮闘します。
が、それもレゴシの傲慢かもしれない・・・?
考えるほどゴールが見えない。そこにのめり込んでハマってしまう!
そんな「BEASTRS」最新刊、18巻のネタバレです。
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ビースターズ 作品情報
- 作者 板垣巴留
- 出版社 秋田書店
- 掲載誌 週刊少年チャンピオン
- レーベル 少年チャンピオン・コミックス
- 発表号 2016年41号
- 発表期間 2016年9月8日
ちなみに作者の板垣巴留先生は、あの「グラップラー刃牙」を筆頭に「バキシリーズ」を描いている板垣恵介先生の娘さんです!
ビースターズ 作品紹介
「獣人」の肉食動物と草食動物が共存する世界。
そんな世界で、同じように肉食と草食が共に学校生活を送るチェリートン学園で、
ごく普通に生活する高校2年生のハイイロオオカミのオス・レゴシ。
ある日、レゴシが所属する演劇部の同級生、アルパカのオス・テムが何者かに食殺される所から物語は始まります。
レゴシの口数の少なさや挙動から犯人と疑われてしまうが、その疑いはすぐ晴れます。
しかし、肉食と草食の関係が少しずつギスギスしていきます。
数十年前までは「BEASTAR」という、すべての動物を統治し、正義へ導く動物が若い年代で生まれていたが、最近ではそれがないことが原因だと、いわゆる「お偉いさん」たちは頭を抱えます・・・。
たった一つの学校のたった一匹のオオカミから、学校、街、そして世の中全体の問題や葛藤があぶり出されていく、
そしてレゴシも、世の中もどんどん変わっていく・・・。
人間より人間臭い世界のお話。
ビースターズ 17巻までのあらすじ
奇しくも、レゴシの恋人・ハルが在学する大学に非常勤講師として勤務している
巨悪・ガゼルとヒョウのハーフのメロン。
味覚を持たないはずのメロンが、ハルと話すことで食欲を抱いてしまった。
一方、レゴシはかつてルイが在籍していたシシ組のライオンたちと共に、
メロンの足取りを掴むため、混血を研究する「コピ・ルアク」にて
高級コーヒーを飲み、食肉欲を抑えられず、メロン追跡を一時中断。
そんな極限状態にもかかわらず、一人暮らしをする「コーポ伏獣」に
ハルを招き入れてしまったレゴシ。
目が覚めると、そこにハルの姿はなく、
赤い液体のシミが・・・。
ハルを食べてしまったのか!?
ショックで毛の色が抜けてしまったレゴシ。
しかし赤いシミの正体は、
ハルがこぼしたトマトジュースでした。
ホッとしつつ、危険な自分にもついてきてくれるハルへの想いは深まっていきます。
その勢いのまま、メロンを追いかけ襲い掛かるレゴシ。
しかし、真実を都合よく塗り替える「センター街」に入ってしまい、
「オオカミがガゼルを襲っている」と誤解されてしまった!
幸いにも、センター街では
「毛色の白いオオカミ」として認識されています。
毛色が元に戻るまで、逃げ込んだ先は、
かつての学び舎でした。
ビースターズ 18巻 ネタバレ
かつての学び舎で見た、変化と真実
「毛色が戻るまで匿ってほしい」とレゴシが駆け込んだのは、かつての学び舎、
チェリートン学園のイヌ科の寮。
幼馴染のラブラドールレトリバー・ジャックをはじめ、懐かしいメンツが顔を揃えていました。
「何も変わらないなぁ」としみじみするのも束の間、
今年度から肉食と草食で別学になったことを聞かされます。
草食がいないことをいいことに、裏市での食肉について語り合う肉食フロア、
前以上に肉食に怯え、暗い表情の草食フロア。
そこで以前から変わらない演劇部の後輩・ピナと出会い、演劇部の現状も目の当たりにしたレゴシ。
演劇部は別学になった今でも、肉食と草食が合同のままでいたい。
学校の方針で、合同部活は全員が成績優秀でないと存続させてくれない。
そのため、現部長のベンガルトラ・ビルが仕切って勉強会をしていました。
その中で、「歴史がお手上げだ」とこぼす
ワシ・アオバ。
学力トップの「特進クラス」しか細かい歴史は教えられていないのだとか。
遠い目をして、イヌ科には猛毒な玉ねぎの袋を見つめるジャック・・・。
幼馴染と遠吠えと歴史
わざと明るく振舞うジャックに、「何かあった?」と尋ねるレゴシ。
特進クラスに自分がいること。
たった5匹の特進クラスが全員イヌであること。
イヌは知能が発達し、負の感情を抱かないよう品種改良された動物であること。
悲惨な歴史を聞いても平然としているロボットのような動物だと・・・。
自分がそんな心を失くした生活を送っていることに嫌気がさし、
わざと猛毒な玉ねぎを使って無理矢理泣いていると告白するジャック。
「このままだとイヌが社会を独裁しちゃう!イヌは恐ろしい動物なんだ!」
と、嘆くジャックにレゴシは「負の感情を抱かないのはジャックだからだ」と宥めるも、
「何でそんなこと言うの!?何でわかるのそんなこと!?」と続けるジャック。
玉ねぎの効力もあり泣きじゃくって怒鳴る2匹。
「一緒に大きくなったからだよ」とレゴシ。
しかしジャックは、レゴシがオオカミであること、それ以外でも自分よりどんどん先に
成長していることを知っています。幼馴染だから・・・
自分の気も知らずに慰めようとするレゴシに腹を立て、玉ねぎを頬張るジャック。
しかしレゴシは本気でジャックの口に指を突っ込み、玉ねぎを吐かせます。
幼少期につかみ合いのケンカをした時、先生に「仲良くしなさい」と言われるも
「できるでしょうか?」と聞き返したことを思い出した2匹。
今ならできるって言える、とレゴシ。
久しぶりに本音でぶつかり合った2匹は清々しい気分になるのでした。
本音を聞かせてくれたお礼に、とレゴシは遠吠えをしてみせました。
ジャックは心の底から「格好良いご先祖様の遠吠え」と思ったのでした。
次の日、ジャックが教わっている歴史についてレゴシに話します。
かつて肉食獣はとても大きな「生命動物」だったこと。
気性も荒く文明も発達しなかったが、そこへ「自然動物」である草食獣が現れ、
守る存在と認識したため、共存し文明も発達したこと。
レゴシが教わっていない歴史についてもジャックは切々と話します。
その後、肉草大戦と呼ばれる大きな戦争があり、呼称も今の「肉食動物」「草食動物」と変化したこと。
そして、その戦争を止めたのが
とてつもなく大きなクジラの一言だったこと・・・。
えっ急にファンタジー?
しかしそのクジラは存命で、
現「壮獣ビースター」ウマのヤフヤと会談中でした。
「もっと仲良く共存しないと、その一言は教えない」だそうです・・・。
話は逸れて・・・ビルの成長物語
一方こちらは現演劇部部長のビルの話。
なぜルイが自分を部長に任命したのか漠然と考えます。
俺に対しての嫌味か?と疑心暗鬼になりながら、カップ麺に卵を落とすと、
孵化寸前のヒナが・・・「ショック卵」と
呼ばれています。
これは食べていいものなのか!?
葛藤していた所へ、掴みどころのないピナが現れ、「ふーん食べるんだ」という
リアクション。
「食べるわけないだろ!」と啖呵を切り、育てることになってしまった・・・。
卵や牛乳を摂ることは生命活動として普通だけど、やはり目の前で命がある者を本能的に食べてしまうのは・・・
鳥類であるアオバの力も借り、ビルとピナも一緒にヒナの世話をして、
一週間後には立派なヒヨコに成長しました。
「ごめんな。何がとは失礼だから言わねーよ」
警察にヒヨコを引き渡す際、じっくり顔を見るビル。
「今後鶏肉と油そばは食わない!」とおかしな決意をしたビルが好きで、ルイも部長に任命したようですね。
変わる裏市・・・ルイたちはどう変わる?
唯一肉を扱うことを黙認されている裏市。
月末金曜日を「肉を愛する日」=「愛肉の日」という祝日にし、牛耳るヤクザ組の縄張り争いの日でもあります。
各組、メンバー全員の血液を松明に灯して種族の主張をします。
かつて、シカであるルイをボスにしていたことで一時注目を浴びたシシ組。
しかし、勢いが足りない、匂いも薄くやさしくなりすぎた、と揶揄される始末。
そこにずいと現れたメロン。
メロンの圧力に押されつつ「シシ組は落ち目だ」と揶揄は続きます。
「確かに匂いが弱いな、じゃあ・・・」
「匂いを足そう」
いきなりシシ組メンバーのドルフを切りつけたメロン!
「愛肉の日なんだから肉を愛せよ!肉を愛しているから裏市にいるんだろ!?」
「本能のまま愛さず何が獣だ!愛に目覚めろ裏市!」
何でもアリの裏市で、何の躊躇いもなく仲間を切りつけ、あっという間に元の裏市の熱狂を取り戻したメロン。
彼のカリスマ性というのは確かに本物です・・・。
裏市で精神科を営むパンダ・ゴウヒンは何を思うのか。
一方こちらはルイと養父・オグマの食事風景。
演劇部で「アドラー」という死神を演じた夢を見た、というルイの話から、
「次に見るお前の晴れ姿は結婚式であってほしい」とこぼすオグマ。
婚約者がいるにも関わらず、折り合いが悪いルイ。
「こんな話やめましょう」とルイが言うも、
「これはビジネスの話だ。本当の親子でないのだから恥じることはないだろう」とオグマ。
ちょ・・・お父さん・・・。
財閥の社長ということもあり、不器用な所もあるのでしょうか・・・。
この後、ルイも「子供が作れないから買った息子がこんな体たらくじゃ見込み違いですね」と言ってしまい、
「馬鹿・・・言い過ぎだ」となります。
血縁関係がなくてもどこかしら親子なんですね・・・。
後の項目でも書きますが、ルイは元々裏市で餌として売られていた孤児。
オグマは跡取りとしてルイを700万で買っています。
そして、商品番号が彫られた足をレゴシに食わせています。
オグマは知らない所でルイが変わっていくことを不安にしている模様。
その頃、オグマが気に掛けるレゴシは、学校で毛色が戻ってきたと安堵していました。
その時見えた、草食獣のみの部活からバカにされる合同の演劇部。
「ルイがいたからこその演劇部だろ!さっさと廃部になれ!」と暴言を吐かれます。
そこへ現れるアドラー。
本物の死神だと逃げていくバカにしていた部員たち。
演劇部を庇おうと変装で現れたレゴシだったのですが、
メンバーのヒツジ・エルスは「ビースターになったルイが助けに来てくれたと思った」。
エルスは最初に食殺されたテムの想い人だったこともあり、思う所があったのでしょう。
ルイは「1億(欠損アリ)」の値札を背負って、元の熱気を取り戻した裏市を闊歩していました・・・
聞いたこともない言葉と再会
裏市を闊歩するルイの値札の0を数えるレゴシ。
いつもルイとレゴシは不思議な出会い方をします・・・。
「どうせなら実家見ていくか」と、かつて裏市で生餌として飼育されていた場所を
レゴシに案内するルイ。そこで食べたルイの足に刻まれた数字の「4」が商品番号だったことを知るレゴシ。
「あのまま全部食って変わってほしかった」と言うルイ。
中途半端に削られて変わってしまった自分を図らずも恥じているようなルイ。
しかし、レゴシは「それが生きるってことなのかも」と。
そもそもレゴシが裏市に来た理由が「裏市が変だ」とビルから聞いたから。
おかしな世の中になっている原因はメロンにあると踏んでいるレゴシ。
一緒に世の中を変えたい、と思うものの言えないルイ。
「そんなのビースターがやることだ」と突っぱねるも、
「ビースターズ、なら」と続けるレゴシ。
物語の核心に迫ったセリフですね・・・!
しかしその瞬間、床が抜けて階下に落ちるレゴシとルイ。
そこにいたのは、かつてルイと共に生餌として売られていた2匹の動物だった・・・!
ウサギのメスと、アルパカのオス・・・
そう思う間もなく、ウサギが短刀と紐を使ってレゴシに襲い掛かる!
アルパカもルイの口を塞ぎ、レゴシの弱点を見抜きます!
不法侵入者は片目をえぐる決まりだ、とレゴシの上半身を封じるウサギ。
しかしレゴシはウサギの下着をずり下ろし、下半身を露出させます。
レゴシなりのメスの草食動物への攻撃だったと思われます・・・。
「女は股を晒せば恥じて解放すると思ったか、つまらない男だ」と吐き捨てるも、
ルイの目を見て「お前・・・4番か?」
生餌仲間だったことを思い出した様子!
ウサギは9番のキュー、アルパカは3番のサンで通っているようです。
キューたちは裏市の闘技場のファイトマネーで生活しているから身のこなしが軽やかだったのでした。
レゴシもハルや他の女性と出会ってきていますが、キューは「生物」としても初めて出会うタイプだ、と考えます。
話を聞くと、キューたちもメロンが来てから裏市がおかしくなったことを把握している様子。
そしてレゴシがメロンを捕まえようとしていることも何となく感じ取った模様。
それを踏まえて「異種族との闘いの心得を教えて下さい」とキューに頼むレゴシ。
一度は断るも、「一発でも私を殴れたら考え直す」とキュー。
全力を出さなかったら出て行け、とも条件を出します。
ハル以外に初めて抱く感情。
「強い変態オオカミに・・・俺はなる!」
何を言ってるんでしょうかレゴシってば・・・
キューの闘い方には「イマジナリーキメラ」という幻覚のようなものを使います。
それは憎悪や嫉妬といった、異種族への強い執着やコンプレックスで生み出されるもの。
キューは大型のイヌ系キメラを出します。
同じようにレゴシも自分の執着について考えると、
思い浮かぶのはハル。ハルとずっと一緒にいたいという思い・・・。
すると、レゴシにウサギの耳が生えたようなキメラが・・・。
そのままキューのキメラに殴りかかる!も、外す・・・。
外したとはいえ、キメラに見込みを感じたキューはレゴシを弟子入りすることに決めます。
そしてこの日は泊まっていくことにしたレゴシとルイ。
しかし、メロンと闘う時もあのキメラを使うのか?と悩むレゴシ。
そんなレゴシの寝床にいつの間にか入ってきていたキュー。
「お前のキメラはよくできていたのになぜ打撃を外したのか」
「私が女だから。そしてお前が女を知らないからだろ」
そう言いながら上着を脱ぐキュー!一体何をするつもり・・・?
ビースターズ 18巻 感想・まとめ
変わってしまった学校、そこで苦しむジャックに始まり、裏市にルイ・・・
「変化」がテーマの巻だったと思います。
個々の悩み、苦しみも去ることながら
大人である住人がほとんどの、「社会を構築している」者たちが作る世界がなぜか苦しみや悩みを生み出してしまう、
ということを描いている作品だと改めて思いました。
「削られていく、でもそれが生きるってことかも」
このセリフは板垣先生も思い入れがあるようで、
「今、の自分が最前線なのは皆同じ。
最前線が良くても悪くても、そこから削って足してっていう・・・
人生は立体的な彫刻のようでありたい」
人生は立体的な彫刻。
悩んで考えて、削って足して生きていく。
レゴシたちを通して人生を考えられる漫画だと思います。
どんどんすごい世界に入っていくレゴシに圧倒されそうになりますが、
元は高校生だったことを考えると、
学校で学生たちと戯れるシーンは若者らしくて和みますよね♪
ビースターズを無料で読む方法!
今回は、ビースターズの18巻のネタバレを紹介しました!
が…
やっぱり、絵と一緒に読んだ方が絶対面白いですよね!
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レゴシとハルの数奇な出会い、ルイとオグマの出会い、そして食殺犯とレゴシの対決など、今の「ビースターズ」を語る上で外せないエピソードが盛りだくさん!
悩ましくて、でもちょっとおかしくて、決して他人事ではないドラマチックな展開と、繊細で力強いイラスト!
ぜひお手に取ってご覧ください!